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民法 / 記述式の型記述
記述式の型 2/3 / 約5分

民法記述の型① — 総則・物権は要件の列挙で取る

民法の記述は毎年2問(問45・46)——出題の重心は「要件を正確に列挙できるか」です。総則・物権からは、錯誤・代理・時効・対抗要件という「要件がかっちり決まったテーマ」が繰り返し出ます。

択一で学んだ各ユニットの知識を、40字の型に固め直します。

この5分の問い

錯誤・無権代理・取得時効・二重譲渡は、それぞれ40字でどう言えばよいのでしょうか。

直感でつかむ

型①②——錯誤は「表示」、代理は「二正面作戦」です

型①動機の錯誤(95条)——「法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反する錯誤であり、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、取り消すことができる」。キーワードは取消し(無効ではない・2020年施行の改正点)・基礎とした事情表示・そして表意者に重大な過失があれば原則取消不可(95条3項)です。

型②無権代理の相手方——「本人に対して表見代理(109・110・112条)の成立を主張し、または無権代理人に対して履行または損害賠償の責任(117条)を追及できる」。本人向けと無権代理人向けの二正面を並べるのが型で、どちらも相手方の善意・無過失が効いてきます。

取得時効の型所有の意思をもって、平穏かつ公然と他人の物を20年間(善意無過失なら10年間)占有した者は所有権を取得する」
厳密に見る

型③④——時効は要件4点、対抗は177条の一文です

型③取得時効(162条)——上の合言葉の文言が答案そのものです。要件は所有の意思(自主占有)・平穏かつ公然・20年(または10年+善意無過失)・他人の物の占有の4点セット——どれか1つ落とすだけで大きく減点されうる、列挙型の典型です。

型④二重譲渡(177条)——「不動産に関する物権の変動は、登記をしなければ第三者に対抗することができない。先に登記を備えた者が確定的に所有権を取得する」。余白があれば背信的悪意者は177条の第三者に当たらない(登記なくして対抗可・判例)まで——ここは加点の定番です。

結論が反転する分かれ目
現行法
取り消すことができる
2020年施行改正——動機の錯誤は「表示」が鍵・重過失で原則不可
旧法の記憶
「無効」と書く答案
現行の記述答案では型ごと崩れる——用語の時点に注意
分かれ目 効果の名前は現行法の用語で。「無効」「瑕疵担保」は旧法の残像です。
ここで間違える

「無効」と書いたら錯誤の型は崩壊します

最大の罠は改正前の記憶——錯誤の効果を「無効」と書くと、現行法(取り消すことができる)と正面から食い違います。同様に「瑕疵担保責任」(旧法の用語)も現行の記述答案では使いません——効果の名前は現行法の用語で

取得時効では「20年」だけ書いて善意無過失10年の分岐を落とす・「所有の意思」を落とす、が典型的な失点。二重譲渡では「先に契約した方が勝つ」と書く誤り(正しくは先に登記した方)に注意です。

実務では

民法の記述練習は、問題文の登場人物に型を当てはめる訓練が本体です——「Aは何を主張できるか」と問われたら、①使える制度の名前(錯誤取消し・表見代理…)②その要件のキーワード③効果、の順で40字を組む。主語と相手(誰に対して)を最初に確定させると、型が自然に埋まります。各型の本体は既存ユニット(意思表示・代理・時効・対抗問題)に——リンクから往復して、択一知識と記述の型を同じ在庫にしてください。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。①錯誤=基礎事情の錯誤は「表示されていたとき」に限り取消し(重過失なら原則不可)②無権代理=本人へ表見代理・無権代理人へ117条の履行/損害賠償の二正面③取得時効=所有の意思・平穏公然・20年(善意無過失10年)④二重譲渡=177条・登記なければ対抗できず先に登記した方が勝つ——要件の列挙が点になる4つの型です。仕上げは民法記述の型②・債権と家族へ。