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民法 / 記述式の型記述
記述式の型 3/3 / 約5分

民法記述の型② — 債権・家族は効果の名前で取る

債権・家族法の記述で問われるのは、要件の列挙よりも「使える手段(効果)の名前を正確に挙げられるか」です——買った物に欠陥があったら何ができる? 遺言で全部持っていかれたら何を請求できる?

手段の名前を4枚の型にして持ち帰ります。

この5分の問い

契約不適合・請負の解除・使用者責任・遺留分は、それぞれ40字でどう言えばよいのでしょうか。

直感でつかむ

型①②——不適合は「4つの手段」、請負は「賠償して解除」です

型①契約不適合責任(562〜564条)——「引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないときは、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除ができる」。4つの手段の名前を全部挙げるのが型です(改正前の「瑕疵担保責任」は使わない)。通知の期間制限——種類・品質の不適合は知った時から1年以内に通知(566条。数量・権利の不適合には適用なし)——まで書ければ加点圏です。

型②請負の注文者解除(641条)——「請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除できる」。理由は不要・ただし賠償とセット、という特則の骨格です。

遺留分の型「遺留分権利者は、受遺者等に対し遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる(1046条)——割合は原則2分の1(直系尊属のみは3分の1)」
厳密に見る

型③④——使用者責任は「について」、遺留分は「金銭」です

型③使用者責任(715条)——「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」。国賠1条と同じく「について」(外形標準説——行為の外形が職務の範囲に見えれば足りる)が鍵で、選任・監督に相当の注意を尽くしたことの免責(1項ただし書)は実務上ほぼ認められないことと、賠償後の被用者への求償(3項)までが型の射程です。

型④遺留分(1046条)——上の合言葉の文言が答案です。最大の改正点——旧法の「遺留分減殺請求」(現物返還)は廃止され、現行法は金銭の支払い請求に一本化。「減殺」「現物の返還」と書いたら旧法の残像です。兄弟姉妹に遺留分はないことも頻出の一言です。

結論が反転する分かれ目
現行法
契約不適合責任/遺留分侵害額請求
4手段の列挙/金銭の支払いに一本化
旧法の残像
瑕疵担保責任/遺留分減殺請求
記述で書くとキーワードごと現行法とずれる
分かれ目 民法記述の二大残像。効果の名前は現行法の用語で書けているかを最後に確認。
ここで間違える

旧法の用語——「瑕疵担保」「減殺請求」が二大残像です

民法記述の失点源は改正前の用語に集中します——「瑕疵担保責任」(現行は契約不適合責任・4手段)と「遺留分減殺請求」(現行は遺留分侵害額請求・金銭一本化)。古い教材や記憶で書くと、キーワードそのものが現行法とずれます。

使用者責任では「事業の執行のために」と書く誤り(正=について・外形標準)、遺留分では兄弟姉妹にも遺留分があるとする誤り、契約不適合では手段を2つで止めてしまう(4つ全部で1セット)——列挙と助詞の正確さが、そのまま点差になります。

実務では

直前期の仕上げは「4つの型×2ユニットの8枚」を毎日紙に書くこと——記述の型は口で言えても、本番は手書きです(「遺留分」「瑕疵」「追完」の漢字は書いて覚える)。そして問題文で「誰が・誰に・何を請求できるか」と問われたら、①制度名②相手③効果(金銭か・解除か・賠償か)の順で組む——この骨組みは行政法の型とも共通の、記述式の背骨です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。①契約不適合=追完・代金減額・損害賠償・解除の4手段(知った時から1年の通知)②請負=完成前ならいつでも損害を賠償して解除(641条)③使用者責任=事業の執行「について」・免責は実務上困難・求償あり④遺留分=侵害額に相当する金銭の支払い請求(原則1/2・直系尊属のみ1/3・兄弟姉妹はなし)——効果の名前を現行法の用語で言えることが点です。これで記述式の4枚の装備が揃いました——60点を計算できる得点源に。