行政法記述の型 — 40字で言える形を持ち歩く
行政法の記述(問44)は、出るテーマがかなり絞れます——取消訴訟の訴訟要件・訴訟類型の選択・国家賠償・行政手続法の事前手続。どれも択一で学んだ知識ですが、記述で点にするには「40字で言える形」に固めておく必要があります。
このユニットは、その型を4枚持ち帰るためのものです。
行政法記述の頻出テーマは、それぞれ40字でどう言えばよいのでしょうか。
型①②——訴訟要件と処分性の定義は「言えれば勝ち」です
型①取消訴訟の訴訟要件——「処分性ある行為に対し、法律上の利益を有する者(原告適格)が、出訴期間内(処分を知った日から6か月・処分の日から1年)に提起する」。書き切れないときは処分性と原告適格を優先します。
型②処分性の定義(判例・最判昭39.10.29)——「公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」。定義をそのまま書かせる出題が現に出ます——丸ごと持ち歩く価値のある一文です。
型③④——国賠は条文の文言、行手法は二分法です
型③国家賠償——1条は上の合言葉の文言をそのまま(「職務を行うについて」の助詞まで条文どおりに)。2条は「公の営造物の設置または管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたとき」——1条は人の行為・2条は物の瑕疵(無過失責任)、の対で覚えます。余白があれば1条は求償権(故意・重過失の公務員へ)まで。
型④行政手続法の事前手続——申請拒否処分は理由の提示のみ(8条。聴聞・弁明は不要)、不利益処分は重大なもの(許認可の取消し等)が聴聞・その他が弁明の機会の付与(13条)。「申請に対する処分か、不利益処分か」の二分法が型の骨格です。行政不服審査の記述なら審理員→審理員意見書→行政不服審査会への諮問→裁決の流れを書きます。
「ために」と「について」——助詞レベルの正確さが問われます
国賠1条の「職務を行うについて」を「職務を行うために」と書くと、外形標準説(客観的に職務の外形があれば足りる)の含意が消えます——条文の文言の再現が高得点の鍵で、助詞レベルの雑さが減点源になりえます。
行手法の型では申請拒否処分に聴聞・弁明を要求してしまう誤りが定番——事前手続の重装備(聴聞・弁明)は不利益処分専用で、申請拒否は理由の提示のみです。訴訟要件では出訴期間の6か月と1年の取り違え(知った日から6か月・処分の日から1年)に注意してください。
練習の作法はシンプルです——型を見ずに紙に手書きで40字を再現し、キーワードの漏れと誤字を自己採点する(「瑕疵」が書けるか)。1日1型×4日で1周、直前期は毎日4型を口頭で。義務付け訴訟・差止め訴訟が問われたら、択一で学んだ「重大な損害」「申請型/非申請型」のキーワードをそのまま記述に流用します——択一の知識と記述の型は同じ在庫の別売りです。
冒頭の問いに答えます。①訴訟要件=処分性・原告適格(法律上の利益)・出訴期間(6か月/1年)②処分性の定義=判例の一文を丸ごと③国賠1条=条文の文言どおり(について・故意過失・違法・損害)、2条=営造物の設置管理の瑕疵④行手法=申請拒否は理由提示のみ・不利益処分は聴聞か弁明——この4枚が行政法記述の主戦場です。次は民法記述の型・前半(総則・物権)へ。