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2次試験対策 / 事例別の型事例
事例別の型 4/4 / 約5分

事例IV(財務・会計)— 指標選びは、与件文の記述から逆算します

事例IV(財務・会計)は、事例I〜IIIとは違う顔を見せます。与件文の分量は少なく、代わりに財務諸表という数字の資料が渡されます。ですが出題の骨格は毎年ほぼ変わりません——「経営分析」「CVP分析」「投資判断または企業価値評価」の3本立てです。

骨格が決まっているということは、設問1で必ず問われる経営分析だけでも、型を先に仕込んでおく価値があるということです。

この5分の問い

事例IVの経営分析設問では、どうやって指標を選び、答案をどう組み立てるのが定石なのでしょうか。

直感でつかむ

経営分析は、与件文の記述から指標を逆算します

事例IVは近年は一貫して「経営分析」+「CVP分析」+「投資判断または企業価値評価」の3本立て構成とされます。設問1の経営分析は、財務諸表の数字だけでなく与件文の記述から指標を逆算するのが定石です。「売上原価が高い」「原材料費が高騰している」とあれば売上高総利益率、「販管費が大きい」「人件費負担が重い」とあれば売上高営業利益率、「借入金利息の負担が大きい」とあれば売上高経常利益率——具体的な記述がなければ最も汎用的な売上高営業利益率を選びます。

効率性・安全性も同じ考え方です。効率性は「在庫が多い」なら棚卸資産回転日数、「売掛金回収が遅い」なら売上債権回転日数、「遊休資産・不動産が多い」なら総資産回転率——具体的な記述がなければ最も汎用的な総資産回転率です。安全性は「短期の支払能力に不安」なら流動比率・当座比率、「借入金が多い」なら自己資本比率・負債比率、「利息の支払負担」ならインタレスト・カバレッジ・レシオ——具体的な記述がなければ最も汎用的な自己資本比率です。

事例IVの合言葉経営分析は原則、収益性1つ+効率性1つ+安全性1つ——与件文の記述から指標を逆算します(近年は3指標自由選択の出題も見られるとされます)
厳密に見る

設問パターンは2つ、答案の骨格は同業他社比較で締めます

経営分析の設問パターンは大きく2つとされます——パターン1「3つの経営指標を挙げ、同業他社と比較して問題点を述べよ」では、同業他社と差が大きい指標、与件文で言及されている課題に対応する指標、収益性・効率性・安全性からバランスよく1つずつ選ぶ、という基準で3指標を選びます(近年は3指標自由選択の出題も見られるとされます)。パターン2「優れている点と課題を指摘せよ」では、優れている点も必ず1つ挙げ、課題は2〜3点を比率の数値とともに述べます。

答案の型は「収益性については〇〇率が同業他社比□□%低く〇〇(原因)が影響している。効率性については売上債権回転日数が長く〇〇(原因)による回収遅延が見られる。安全性については〇〇比率が低く〇〇(原因)により短期的な支払能力に課題がある。一方〇〇面では同業他社を上回っており〇〇が強みといえる。」という構成です。数値の比較(同業他社比□□%)と、原因の記述(与件文の言葉で)、そして優れている点を必ず含める——この3つが骨格です。

結論が反転する分かれ目
避けたい型
指標名の丸暗記
「収益性なら売上高総利益率」と機械的に決め打ちする
定石
与件文からの逆算
「販管費が大きい」なら売上高営業利益率、というように記述から選ぶ
分かれ目 「与件文のどの記述に対応するか」——ここでも与件文が唯一の論拠です、が要点です。
ここで間違える

指標の丸暗記と、優れている点の書き忘れが的です

定番の落とし穴は指標名だけを丸暗記して、与件文の記述と結びつけずに選ぶことです。「収益性なら売上高総利益率」と機械的に決め打ちすると、与件文が「販管費が大きい」と語っているのに売上高総利益率を選んでしまう、というズレが起こります。指標は与件文の記述から逆算するのが原則です。

もう一つの的は優れている点を書き忘れることです。設問パターン2(優れている点と課題を指摘せよ)では課題ばかりに気を取られがちですが、優れている点も必ず1つ挙げることが求められます。課題だけを並べた答案は、設問の要求を半分しか満たしていません。

実務では

診断士として事例IVの経営分析を書くとき、あなたはこの会社の財務全体を一つの目で診断しています。収益性・効率性・安全性のどれか一つだけを深掘りするのではなく、与件文の記述と数字の両方を根拠に、バランスの取れた診断を下す——これが事例IVでも変わらない、一貫した診断という姿勢です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。事例IVは経営分析・CVP分析・投資判断(または企業価値評価)の3本立てで、経営分析は与件文の記述から収益性・効率性・安全性の指標を逆算し、同業他社比較と優れている点・課題の両方を答案に含めます。ここから先——CVP分析の計算手順や投資判断のNPV計算は、計算ドリル型のユニット群で扱います。