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2次試験対策 / 事例別の型
事例別の型 3/4 / 読む5分+確認4問

事例III(生産・技術)— 問題点はQCD、原因は4Mで切り分けます

事例III(生産・技術)の与件文は、納期遅延、品質不良、在庫過多、設備停止など、工場や現場で起きる困りごとが並びます。困りごとの種類は多様に見えても、整理する物差しは限られています。

事例IIIの答案は、この物差し(QCDと4M)を軸に組み立てれば、骨子は迷いなく立ちます。

この回の問い

事例III(生産・技術)では、与件文の問題点をどんな物差しで整理し、どんな順序で施策を提案するのが定石でしょうか。

直感でつかむ

QCDで問題点を分類し、4Mで原因を切り分けます

事例IIIの問題点は、まずQCD、つまりQuality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)のどこに位置するかで分類します。「納期遅延」ならD、「不良品の流出」ならQ、「外注依存によるコスト増」ならCという具合です。分類できたら、原因を4M(Man(人)・Machine(設備)・Material(材料)・Method(方法))のどこにあるかで切り分けます。「作業標準が未整備で熟練作業者への依存度が高い」ならMan・Methodの問題、というように与件文の記述をこの軸に当てはめます。

生産形態の把握も出発点です。受注生産(BTO)見込生産(MTS)か、多品種少量少品種多量か、セル生産・ライン生産・ジョブショップのどれに近いか。与件文の企業がどの形態かによって、有効な施策の種類が変わります。

事例IIIの合言葉問題点はQCDで分類し、原因は4M(Man・Machine・Material・Method)で切り分けます
厳密に見る

典型課題には対応する施策があり、現場改善→システム化→設備投資の順が原則です

典型課題と施策の対応は型として整理できます。納期遅延には、工程可視化・生産スケジューラが対応します。品質不良には、QC工程表・検査強化・4M分析が対応します。在庫過多には、需要予測精度向上・かんばん方式が対応します。原価高騰には、外注見直し・内製化が対応します。設備停止には、予防保全・TPMが対応します。

QCDそれぞれの改善フレームワークも決まっています。Q(品質)なら、QC7つ道具(パレート図・特性要因図・管理図等)とSDCA(標準設定→実施→検査→フィードバック)です。D(納期)なら、クリティカルパス分析・SMED(段取替え時間短縮)・TOC(制約条件理論)です。C(コスト)なら、標準原価管理と内製・外注の判断です。

施策を提案する順序にも原則があります。現場改善→システム化→設備投資の順です。まず多能工化や標準化・マニュアル化といった現場の工夫で対応できないかを検討します。それでも足りない部分にはIoT・MESといった情報システムを充てます。最後に大規模な設備投資を検討する、という優先順位です。

頻出フレーズにも型があります。問題点指摘では、「生産工程の一部にボトルネックが発生しており全体の納期に影響している」「外注依存度が高く品質管理が不十分なため不良品の流出リスクがある」という言い回しを使います。改善提案では、「生産スケジューラを導入し工程ごとの負荷を可視化・平準化する」「多能工化教育を実施し工程間の応援体制を整備する」という言い回しです。

結論が反転する分かれ目
避けたい順
いきなり設備投資
現場改善の余地を検討せず大規模投資へ。費用対効果の説明が薄くなりがち
定石
現場改善→システム化→設備投資
まず現場の工夫、次に情報システム、最後に設備投資という優先順位
分かれ目 「順序を守っているか」。設備投資への偏りを、ここで防ぎます。
ここで間違える

設備投資への偏りと、QCDのバランスの崩れが的です

定番の落とし穴は施策が「大規模設備投資」に偏ることです。現場改善・システム化で対応できる余地を検討せず設備投資を提案すると、費用対効果の説明が薄い答案になりがちです。現場改善→システム化→設備投資という優先順位を、答案でも意識して示すことが重要です。

もう一つの的はQCDのバランスが崩れることです。品質改善だけを厚く書いて納期・コストへの目配りがない答案は、多面的な記述を求める設問では部分点にとどまりやすいとされます。事例IIIの一貫性チェックは、第1問で指摘した問題点が施策提案で解消されているか施策が「大規模設備投資」に偏っていないかQCDのバランスが取れているかの3点です。

実務では

事例IIIの答案を書くとき、あなたは工場全体の生産性を一つの視点で診断しています。品質の話に終始し、納期やコストへの影響に触れないまま終わっていないか。答案を書き終えたら、QCDの3文字を順に指で辿り、抜けている観点がないかを確認する——これが、一面的深掘りと事例間矛盾を同時に防ぐ、事例IIIならではの見直し方です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この回のまとめ

事例IIIは、問題点をQCD(品質・コスト・納期)で分類し、原因を4M(Man・Machine・Material・Method)で切り分け、現場改善→システム化→設備投資の順で施策を提案します。次は、事例IV(財務・会計)の、経営分析の型と、頻出論点の地図へ。