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財務・会計 / 財務諸表の基礎財務
財務諸表の基礎 2/5 / 約5分

B/S — 「ある日の残高写真」を、2段構えの棚で仕分けます

P/Lが「1年間の稼ぎの動画」だとすれば、貸借対照表(B/S)は決算日その日の残高写真です。何を持っていて(資産)、そのうちいくらが借り物で(負債)、いくらが自前か(純資産)。写真1枚に、会社の体格が写ります。

写真の読み方はルール2つだけです。左右は必ず釣り合う。そして棚の仕分けは2段構え——本業のサイクルに乗るものはまず流動、残りを「1年以内かどうか」で振り分けます。

この5分の問い

貸借対照表は何をどう並べた表で、流動と固定はどんな基準で分かれているのでしょうか。

直感でつかむ

左は「お金の使いみち」、右は「お金の出どころ」です

B/Sの左側(資産)は、集めたお金がいま何に姿を変えているか——現金・在庫・機械・建物。右側は、そのお金をどこから持ってきたか——借りたもの(負債)と、株主のお金+稼いだ蓄え(純資産)です。出どころと使いみちは同じお金の両面なので、左右は必ず一致します。資産=負債+純資産。これが会計等式です。

仕分けの棚は2段構えです。本業のサイクル(仕入→在庫→販売→回収)に乗っている科目はまず「流動」の棚へ。サイクルの外の科目だけを、1年以内に現金化・支払期限が来るかで流動と固定に振り分けます(1年基準)。経営分析で使った流動比率(流動資産÷流動負債)は、この棚の仕分けをそのまま使った検査でした。

B/Sの合言葉左=使いみち・右=出どころで必ず一致。棚は営業循環→1年基準の2段構え
厳密に見る

3つの部と、その中身の並びを固定します

分類の基準を正確に2つ持ちます。第一が正常営業循環基準——仕入→在庫→販売→代金回収という本業のサイクルに乗る科目(売掛金・受取手形・棚卸資産・買掛金・支払手形)は、回収や支払が1年を超えても流動に入れます。第二が1年基準(ワン・イヤー・ルール)——このサイクルの外にある科目(貸付金・借入金・有価証券など)だけを、決算日から1年以内かどうかで流動・固定に振り分けます。

資産の部=流動資産(現金預金・売掛金・棚卸資産など)と固定資産(建物・機械・土地・投資有価証券など)。負債の部=流動負債(買掛金・短期借入金など)と固定負債(長期借入金・社債など)。純資産の部=資本金・資本剰余金・利益剰余金など(自己株式は控除項目として△表示)。

数値で1枚組んでみます。資産1,000万円(流動400・固定600)=負債600万円(流動200・固定400)+純資産400万円。自己資本比率は400÷1,000=40%——経営分析の安全性の検査が、B/Sの右側の構成そのものだと分かります。

分類の急所は同じ名前でも期限で棚が変わることです。借入金は営業循環の外なので1年基準の出番——返済期限が1年以内なら短期借入金(流動負債)、1年超なら長期借入金(固定負債)。一方、売掛金や買掛金はサイクルの中なので、期限を問わず流動です。

結論が反転する分かれ目
B/S
一定時点の財政状態
決算日その日の残高写真。資産=負債+純資産
P/L
一会計期間の経営成績
1年間の稼ぎの動画。収益−費用=利益
分かれ目 「一定時点」と「一会計期間」。定義文の時間軸を入れ替える肢が正誤問題の1行目に来ます。
ここで間違える

「B/Sは期間の成績表」と読ませる肢と、棚の取り違えが定番です

第一の罠は時間軸のすり替えです。「貸借対照表は一会計期間の経営成績を表す」——誤り。期間の成績(動画)はP/Lで、B/Sは一定時点の財政状態(写真)です。定義文の「一定時点/一会計期間」の対比は、正誤の1行目に置かれる常連です。

第二の罠は棚の取り違えです。長期借入金を流動負債に置く、投資有価証券(長期保有)を流動資産に置く、そして「回収に1年超かかる売掛金だから固定資産」——最後の肢が今日の要注意です。売掛金は営業循環内なので、回収が1年を超えても流動資産。営業循環の内か外かを先に判定し、外の科目にだけ1年基準を当てるのが型です。

実務では

「決算書のどこから見ればいいの?」。経営者との初回面談でB/Sを開いたら、まず右下(純資産)と右上(流動負債)を見ます。自前のお金の厚みと、1年以内に返すお金の重さ——写真1枚から資金繰りの逼迫度を読み取り、次にP/Lの動画で原因を探る。この順番が診断の定石です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。B/Sは決算日時点の「使いみち(左)=出どころ(右)」の写真で、1年基準により流動と固定に仕分けられます。写真(B/S)と動画(P/L)の間には、もう1本の橋があります——利益と現金のズレを翻訳するキャッシュフロー計算書です。次のユニットで渡ります。