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運営管理 / 売場の科学売場
売場の科学 3/4 / 約5分

GMROI — 薄利多売と厚利少売を、同じ物差しに載せます

同じ100万円分の在庫でも、コンビニのおにぎりと宝石店の指輪では「稼ぎ方」がまるで違います。おにぎりは薄利だが猛烈に回転する。指輪は厚利だが年に数回しか売れない——どちらの在庫が「効率よく」稼いでいるのか。

粗利の厚さと回転の速さを掛け算して1つの物差しにしたのがGMROI(商品投下資本粗利益率)です。

この5分の問い

同じ金額の在庫でも、どの商品がより効率よく稼いでいるかは、どう測るのでしょうか。

直感でつかむ

GMROI=粗利益率×商品回転率——掛け算の物差しです

部品は2つ——商品回転率(売上高÷平均在庫高。在庫が1年に何回入れ替わるか)と粗利益率((売上高−売上原価)÷売上高。1回の売りでどれだけ抜けるか)。

GMROI=粗利益率×商品回転率。A商品(粗利率40%×回転率5回)=200%、B商品(粗利率10%×回転率2回)=20%——投じた在庫が生む粗利の効率はAが10倍です。薄利でも回転が速ければ勝てるし(コンビニ型)、厚利でも回らなければ負ける(宝石店の悩み)——2軸を1つに畳むのがこの指標の仕事です。

GMROIの合言葉GMROI=粗利益率×商品回転率——薄利×高回転と厚利×低回転を同じ土俵で比べる
厳密に見る

坪効率と回転率の分子——細部の作法を固めます

売場の広さあたりの稼ぎを測るのが坪効率=売上高÷売場面積——店舗間比較や売場配分の物差しです。

商品回転率の分子は売上高で測る方式と売上原価で測る方式があります(分母の平均在庫高を売価で持つか原価で持つかに合わせる)——分子と分母の基準を揃える、が作法です。同族の指標との区別も出題されます——GMROIは在庫を原価基準で持つ指標(Gross Margin Return On Investment——分母は平均在庫高〈原価〉)、交差(主義)比率は売価基準の変種。骨格はともに粗利益率×商品回転率で、原価か売価かの基準の別が問われどころです。

結論が反転する分かれ目
商品回転率
在庫の入れ替わりの速さ
売上高÷平均在庫高。速い=資金が寝ていない、だけを測る
GMROI
在庫投資が生む粗利の効率
粗利益率×商品回転率。速くても薄利すぎれば低い
分かれ目 「回転が速い=儲かる」とは限らない——粗利率を掛けて初めて効率になる、が2指標の分かれ目です。
ここで間違える

「足し算」へのすり替えと、回転率との混同が定番です

定番の誤り肢は「GMROIは粗利益率と商品回転率の合計で求める」——誤り、掛け算です。足し算では「40%+5回」のように単位の違うものを足す無意味な計算になる——率×回、と唱えて固定してください。

商品回転率とGMROIの役割の混同も的——回転率は在庫の入れ替わりの速さだけを測り、GMROIは儲けの効率までを測る。「回転が速い=儲かる」とは限らない(薄利すぎれば低GMROI)、が2指標を分ける意味です。

実務では

品揃えの見直しは、全商品のGMROIを一覧にするところから始まります。回転は速くても粗利がゼロに近い客寄せ商品、粗利は厚いのに棚で眠る商品——4象限に散らすと、「棚を広げる商品」と「縮める商品」の議論が感情論から数字の話に変わります。ABC分析(金額)にGMROI(効率)を重ねるのが、売場改善の定石です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。在庫の稼ぐ効率はGMROI=粗利益率×商品回転率——薄利×高回転(40%×5回=200%)と厚利×低回転(10%×2回=20%)を同じ物差しに載せます。坪効率(売上高÷売場面積)が広さの物差し。次は、この数字の供給源——POSシステムとPI値へ。