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運営管理 / 売場の科学売場
売場の科学 4/4 / 約5分

POSとPI値 — レジの「ピッ」が、棚の意思決定になります

コンビニのレジでバーコードを「ピッ」とやるたび、何が・何時に・何個・いくらで売れたかが記録されています——これがPOS(販売時点情報管理)。ポイントカードを重ねれば「誰が買ったか」まで紐づく——ID-POSです。

そのデータを店舗間で比べられる数字にするのがPI値——「来店客1,000人あたり何個売れるか」という、売れる力の物差しです。

この5分の問い

レジのデータから、何が・誰に・どれだけ売れているかをどう分析するのでしょうか。

直感でつかむ

PI値=買上点数÷レジ客数×1000です

PI値(購買指数)=ある商品の買上点数÷レジ通過客数×1000。週にレジを通った客が2,000人、ある商品の買上点数が50個なら、PI値=50÷2,000×1000=25——来店客1,000人あたり25個売れる力、という意味です。

客数で割ってあるから、規模の違う店舗どうし・週どうしで比較できるのが値打ちです——「大きい店だから売れている」のか「売れる力が強い」のかを切り分けられます。

PI値の合言葉PI値=買上点数÷レジ客数×1000——客数で割るから、店の規模を超えて比較できる
厳密に見る

POSとID-POSの違い、活用の3場面を固めます

POSは「何が売れたか」をJANコードで商品単位に記録します。ID-POSはポイントカード等の顧客IDを紐づけ、「誰が買ったか」——性別・年代・購買履歴——まで分析できます(関係性マーケのRFM分析はこのデータが土台)。

活用の定番3場面——①棚割り(PI値の高い商品にフェイシングを配分)②新商品の販売力評価(発売直後のPI値で全国展開を判断)③死に筋の特定(売れない商品をカットして棚を空ける)。レジの記録が、そのまま棚の意思決定になります。

結論が反転する分かれ目
POS
「何が」売れたかを記録
JANコードで商品単位。時刻・数量・金額まで
ID-POS
「誰が」買ったかまで記録
顧客IDを紐づけ。属性・購買履歴の分析(RFMの土台)へ
分かれ目 「POSで個人の購買履歴が分かる」が定番の誤り。誰が、まで分かるのはID-POSの側です。
ここで間違える

「POSで誰が買ったか分かる」と、PI値の分母が定番の的です

定番の誤り肢は「POSシステムでは、購買した顧客の属性や購買履歴を個人単位で把握できる」——誤り。素のPOSが記録するのは「何が売れたか」までで、「誰が」まで分かるのは顧客IDを紐づけたID-POSです。

PI値では分母のすり替え——「買上点数÷販売数量×1000」「÷店舗数×1000」など。分母はレジ通過客数——「客1,000人あたりの売れ数」という意味から復元してください。

実務では

POSデータは中小の小売にも眠っています——レジは記録しているのに、誰も見ていない。週次のPI値上位・下位20品目を並べるだけで、「売れていると思っていた商品が実は棚の無駄」という発見が出る。GMROIと重ねれば「売れる×儲かる」の4象限になり、棚割りの入れ替え提案が数字で組めます。データはあるのに使われていない——掘り起こすのが診断士の仕事、の典型例です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。POSは「何が」をJANコード単位で、ID-POSは「誰が」まで記録し、PI値=買上点数÷レジ客数×1000が規模を超えた「売れる力」の物差しになります(50個÷2,000人×1000=25)。次はモノの流れの裏側——物流の機能分解へ。