在庫管理 — 牛乳は減ったら買い、まとめ買いは決まった日に
冷蔵庫の牛乳は「残り1本になったら3本買う」——買う量は決まっていて、買うタイミングは不定期です。一方、週末のまとめ買いは「毎週日曜に、必要な分だけ」——タイミングは決まっていて、量が毎回違う。
この2つが在庫管理の2大方式——定量発注と定期発注です。「どちらが定期的か」の直感を試験は突いてきます。
在庫は「減ったら買う」か「決まった日に買う」か——2方式は何がどう違うのでしょうか。
定量発注=量が固定でタイミング不定期、定期発注=その逆です
定量発注方式——在庫が発注点まで減ったら、あらかじめ決めた一定量を発注します(牛乳方式)。発注のタイミングは不定期、量は固定。管理は機械的で手間が少ない方式です。
定期発注方式——一定の間隔(毎週・毎月)で、そのつど需要予測に基づいて変動する量を発注します(まとめ買い方式)。毎回頭を使うぶん手間はかかりますが、需要の変化に細かく追随できます。
発注点と安全在庫の式——√が付く場所まで固めます
発注点=平均需要量(1日あたり)×調達リードタイム+安全在庫。たとえば1日20個売れて調達に4日かかるなら、リードタイム中の需要80個に安全在庫を足した水準で発注をかけます。安全在庫=安全係数×需要の標準偏差×√リードタイム——ばらつき(標準偏差)とリードタイムが長いほど厚くする、√が付くのはリードタイム、が式の急所です(この√リードタイムは発注点=定量発注の式。定期発注方式では√の中に発注間隔も加わります)。
方式の使い分けは品目の重要度と接続します——需要変動に細かく対応したい重要品目(A品目)には手間のかかる定期発注、中位のB品目には機械的な定量発注、少額多数のC品目には2つの容器を使い分けるダブルビン法などの簡便法が定石です。
「定量発注は定期的に発注する」——名前に釣られる肢が定番です
最頻出の誤り肢は「定量発注方式では、一定の間隔で定期的に発注を行う」——誤り。定量発注の「定」は量が定まっているという意味で、タイミングは在庫が発注点を切ったとき=不定期です。定期的なのは定期発注方式の側——名前の「定」がどちらに掛かるかで切り分けてください。
安全在庫の式では「√が需要量に付く」とする改変が典型——√はリードタイムに付きます。
「欠品が怖くて多めに持ってしまう」という会社の在庫は、たいてい勘の安全在庫です。過去の出荷データから標準偏差を出し、許容欠品率から安全係数を決める——式に載せるだけで「怖いから2週間分」が「統計的に3.2日分」に変わり、浮いた在庫はそのまま資金繰りの改善になります。CCC(財務・会計側のユニット)と繋がる、科目横断の実務です。
冒頭の問いに答えます。定量発注は量固定・時期不定期(発注点を切ったら発注)、定期発注は時期固定・量変動(重要なA品目向き)——発注点=日需要×リードタイム+安全在庫、安全在庫=安全係数×標準偏差×√リードタイムです。次は、そもそも品目ごとに管理の濃淡を付ける道具——ABC分析へ。