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運営管理 / 生産管理の土台生産
生産管理の土台 5/5 / 約5分

ABC分析 — 100品目を同じ精度で管理してはいけません

ネットショップで100種類の商品を売っているとします。売上の大半は上位の2割の商品が稼いでいて、ボールペンのゴム蓋のような下位の品目は、あってもなくても数字がほぼ動かない——。

なら、100品目を同じ精度で管理するのは間違いです。濃淡を付ける——その道具がABC分析で、パレートの法則(80:20)の在庫管理への応用です。

この5分の問い

多数の在庫品目に管理の濃淡を付けるには、何を軸にどう分類すればよいのでしょうか。

直感でつかむ

金額の大きい順に並べ、累積で線を引きます

やることは3手——品目を使用金額(または売上金額)の大きい順に並べ、累積構成比を計算し、線を引いてA・B・Cの3グループに分ける。

目安は——A品目=品目数の約10〜20%で金額の約70〜80%を占める主役たち。欠品させない厳密管理(定期発注・細かい需要予測)。B品目=中位、中程度の管理(定量発注)。C品目=品目数の約40〜50%を占めるのに金額は約5〜10%——年1回のまとめ買いやダブルビン法の簡易管理で十分です。

ABC分析の合言葉金額の大きい順×累積構成比——A(少数で大半の金額)は厳密に、C(多数で僅かな金額)は簡易に
厳密に見る

「品目数と金額の非対称」が理屈の核心です

ABC分析の根っこはパレートの法則——結果の大部分は少数の原因から生まれる、という経験則です。品目数の比率と金額の比率が非対称だからこそ、全品目一律の管理は「Aには粗すぎ、Cには過剰」になる——濃淡を付けることが合理的になります。

数値はあくまで目安です(A=10〜20%で70〜80%など、教科書により幅があります)。試験では比率の数字を入れ替えた肢が出ますが、「少数の品目が大半の金額」という非対称の向きさえ固定していれば判定できます。

結論が反転する分かれ目
A品目
品目数10〜20%・金額70〜80%(目安)
欠品させない厳密管理。定期発注・細かい需要予測
C品目
品目数40〜50%・金額5〜10%(目安)
まとめ買い・ダブルビン法などの簡易管理で十分
分かれ目 比率を入れ替える肢が定番。「少数の品目が大半の金額」という非対称の向きで判定します。
ここで間違える

比率の入れ替えと、PPMとの混同が定番です

定番の誤り肢は比率の入れ替え——「C品目は品目数の10%程度だが金額の70%を占める」(誤り——それはA品目の姿。Cは多数で僅かな金額)。数字の暗記より非対称の向きで覚えるのが安全です。

もう1つはPPMとの混同——どちらも「分類の道具」ですが、ABC分析は在庫品目を金額で、PPM(経営理論)は事業を市場成長率×シェアで分類します。軸がまったく違う別物です。

実務では

在庫改善の第一歩は、システム導入でも棚の整理でもなく、ABC分析の1枚です。売上データを金額順に並べ替えるだけ——ExcelでもPOSの出力でも30分でできる。A品目の欠品履歴とC品目の滞留在庫が見えた瞬間、「何から手を付けるか」の合意が取れます。診断の初日に出せる、費用ゼロで説得力最大の資料です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。使用金額の大きい順に累積構成比で並べ、少数で金額の大半を占めるA品目は厳密管理(定期発注)、多数で金額僅かなC品目は簡易管理——品目数と金額の非対称(パレートの法則)が濃淡の根拠です。これで生産管理の土台5本が揃いました——次は計算の主戦場、EOQとライン編成効率へ続きます。