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企業経営理論 / 経営戦略の型経営
経営戦略の型 3/5 / 約5分

PPM — 金のなる木の稼ぎを、明日の花形に配り直します

4つの副業を持っているとします。よく稼ぎ今も伸びているYouTube、稼ぐが成長は頭打ちのブログ、伸びそうだがまだ赤字のTikTok、伸びも稼ぎもないmixi日記。時間とお金を、どこにどれだけ配るべきでしょうか。

「全部に平等」が一番まずい——これがPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)の出発点です。

この5分の問い

PPMの2軸と4象限は何で、資金はどの象限からどの象限へ流すのが定石なのでしょうか。

直感でつかむ

稼ぎ頭の儲けを、伸び盛りへ回すのが定石です

軸は縦=市場成長率、横=相対的市場シェア。4象限に名前が付きます。花形(スター)=成長も高くシェアも高い(YouTube。稼ぐが投資も食う)。金のなる木=成長は低いがシェアが高い(ブログ。投資少なく稼ぐ資金源)。問題児=成長は高いがシェアが低い(TikTok。育てるか撤退かの分かれ目)。負け犬=どちらも低い(mixi日記。撤退・縮小の候補)。

資金の流れの定石は1本——金のなる木で稼ぎ、問題児(と花形)へ投資する。問題児を花形に育て、花形はやがて成長鈍化とともに次の金のなる木になる——世代交代の循環図です。

PPMの合言葉縦=市場成長率・横=相対的市場シェア。金のなる木→問題児へ資金を流す
厳密に見る

前提2つと限界2つまでが、1セットの出題範囲です

PPMの理屈は2つの前提の上に立っています。①経験曲線効果——累積生産量が増えるほど単位コストが下がる。だからシェアが高い=コストが低い=儲かる(横軸の意味)。②プロダクト・ライフサイクル(PLC)——市場の成長はやがて鈍る。だから成長期は投資が要る(縦軸の意味)。

限界も問われます。2軸だけで事業を評価する単純化(技術や将来性を見ない)と、事業間のシナジーを無視すること——負け犬に見える事業が他事業の集客装置かもしれない、という批判です。フレームは便利な地図であって審判ではない、と締めるのが正しい理解です。

結論が反転する分かれ目
金のなる木
低成長×高シェア
投資少なく稼ぐ資金源。ここの儲けが原資
問題児
高成長×低シェア
育てば花形、育たねば撤退。投資判断の主戦場
分かれ目 資金は「なる木→問題児」へ。流れを逆にした肢と、軸の入れ替え肢が2大定番です。
ここで間違える

縦軸と横軸の入れ替えが、この論点の看板の罠です

「PPMの縦軸は市場シェア、横軸は市場成長率である」——軸を入れ替えた肢が最頻出です。縦=成長率・横=相対的シェア。さらに横軸は単なるシェアではなく「相対的」市場シェア(最大競合との比)である点も、修飾語を削るひっかけとして狙われます。

資金の流れの逆流にも注意——「花形の収益を金のなる木へ投資する」は循環が逆です。なる木が源泉、問題児・花形が投資先。世代交代の物語で向きを固定してください。

実務では

「どの事業も大事で、どれも削れないんだよ」。多角化した会社の社長の本音に、PPMは「平等は戦略ではない」と言うための道具です。各事業を成長率×シェアで壁に貼り出すだけで、「この稼ぎ頭の利益を、どこに再投資しているか」という資金の流れの議論が初めて始まる——診断報告書の定番の1枚です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。PPMは市場成長率×相対的市場シェアの4象限(花形・金のなる木・問題児・負け犬)で事業を配置し、金のなる木の稼ぎを問題児・花形へ流すのが定石——前提は経験曲線とPLC、限界は2軸の単純化とシナジー無視です。次は「そもそもこの業界、儲かるのか」を測る5フォースへ進みます。