PPM — 金のなる木の稼ぎを、明日の花形に配り直します
4つの副業を持っているとします。よく稼ぎ今も伸びているYouTube、稼ぐが成長は頭打ちのブログ、伸びそうだがまだ赤字のTikTok、伸びも稼ぎもないmixi日記。時間とお金を、どこにどれだけ配るべきでしょうか。
「全部に平等」が一番まずい——これがPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)の出発点です。
PPMの2軸と4象限は何で、資金はどの象限からどの象限へ流すのが定石なのでしょうか。
稼ぎ頭の儲けを、伸び盛りへ回すのが定石です
軸は縦=市場成長率、横=相対的市場シェア。4象限に名前が付きます。花形(スター)=成長も高くシェアも高い(YouTube。稼ぐが投資も食う)。金のなる木=成長は低いがシェアが高い(ブログ。投資少なく稼ぐ資金源)。問題児=成長は高いがシェアが低い(TikTok。育てるか撤退かの分かれ目)。負け犬=どちらも低い(mixi日記。撤退・縮小の候補)。
資金の流れの定石は1本——金のなる木で稼ぎ、問題児(と花形)へ投資する。問題児を花形に育て、花形はやがて成長鈍化とともに次の金のなる木になる——世代交代の循環図です。
前提2つと限界2つまでが、1セットの出題範囲です
PPMの理屈は2つの前提の上に立っています。①経験曲線効果——累積生産量が増えるほど単位コストが下がる。だからシェアが高い=コストが低い=儲かる(横軸の意味)。②プロダクト・ライフサイクル(PLC)——市場の成長はやがて鈍る。だから成長期は投資が要る(縦軸の意味)。
限界も問われます。2軸だけで事業を評価する単純化(技術や将来性を見ない)と、事業間のシナジーを無視すること——負け犬に見える事業が他事業の集客装置かもしれない、という批判です。フレームは便利な地図であって審判ではない、と締めるのが正しい理解です。
縦軸と横軸の入れ替えが、この論点の看板の罠です
「PPMの縦軸は市場シェア、横軸は市場成長率である」——軸を入れ替えた肢が最頻出です。縦=成長率・横=相対的シェア。さらに横軸は単なるシェアではなく「相対的」市場シェア(最大競合との比)である点も、修飾語を削るひっかけとして狙われます。
資金の流れの逆流にも注意——「花形の収益を金のなる木へ投資する」は循環が逆です。なる木が源泉、問題児・花形が投資先。世代交代の物語で向きを固定してください。
「どの事業も大事で、どれも削れないんだよ」。多角化した会社の社長の本音に、PPMは「平等は戦略ではない」と言うための道具です。各事業を成長率×シェアで壁に貼り出すだけで、「この稼ぎ頭の利益を、どこに再投資しているか」という資金の流れの議論が初めて始まる——診断報告書の定番の1枚です。
冒頭の問いに答えます。PPMは市場成長率×相対的市場シェアの4象限(花形・金のなる木・問題児・負け犬)で事業を配置し、金のなる木の稼ぎを問題児・花形へ流すのが定石——前提は経験曲線とPLC、限界は2軸の単純化とシナジー無視です。次は「そもそもこの業界、儲かるのか」を測る5フォースへ進みます。