ライン編成効率 — 一番遅い工程が、ラインの成績を決めます
流れ作業のラインでは、一番遅い工程が全体のテンポを決めます。前の工程がどれだけ速くても、遅い工程の前で仕掛品が滞留し、後の工程は手待ちになる——速い工程の余った時間は、まるごと遊びです。
その「遊びの少なさ」を1つの数字にしたのがライン編成効率——運営管理で毎年1〜2問出る、最頻出の計算問題です。
複数の工程をつないだラインの効率は、何をどう割り算して求めるのでしょうか。
「実際の仕事の合計」÷「枠の合計」です
分子はΣt=各工程の作業時間の合計——ライン全体の「実際の仕事量」。分母はS×PT=工程数×ピッチタイム——各工程に与えられた「時間の枠」の合計です。ピッチタイム(サイクルタイム)は製品が1個流れ出る間隔で、通常は最も遅い工程(ボトルネック)の作業時間がそのまま枠になります。
ライン編成効率=Σt/(S×PT)×100%。枠のうち実際に仕事で埋まっている割合——残り(1−編成効率)がバランスロス、つまり手待ちの遊びです。
計算例——4工程のラインで75%を出します
例題(新規作成):4つの工程の作業時間が8分・6分・10分・6分のライン。①Σt=8+6+10+6=30分。②ピッチタイム=最長工程=10分。③編成効率=30÷(4×10)×100=75%。バランスロスは25%——各工程の枠10分のうち、平均2.5分が遊んでいる計算です。
ピッチタイムが目標生産量から与えられる型もあります——稼働時間480分で240個作るなら、PT=480÷240=2分/個(目標生産量から定めるこの枠はタクトタイムとも呼ばれます)。この場合は各工程の作業時間を2分以下に収める工程分割(ラインバランシング)が課題になります。
分母を「作業時間の合計」にする誤りと、OEEとの混同が定番です
計算の誤りで多いのが分母の取り違え——分母は「工程数×ピッチタイム」であって、作業時間の合計や平均ではありません。ネック工程の時間×工程数、と機械的に組み立ててください。
指標の混同ではOEE(設備総合効率)との取り違えが定番——編成効率はライン全体の工程バランスの指標、OEEは単一設備の稼働の質(時間×性能×良品率)の指標。対象が「ラインか、1台か」で切り分けます。
「人を増やしたのに生産量が伸びない」という工場は、たいていネック工程以外に人を足しています。編成効率の計算はそのまま診断の道具——各工程の時間を測って並べれば、どこがネックで、どの工程の余力をネックに回すべきかが数字で見える。改善提案の第一歩は、設備投資ではなく作業の組み替え(ラインバランシング)であることが多いのです。
冒頭の問いに答えます。ライン編成効率=Σt/(工程数×ピッチタイム)×100%——ピッチタイムは通常ネック工程の時間で、8・6・10・6分の4工程なら30÷40=75%(バランスロス25%)。次は個々の作業時間そのものの測り方——IEと標準時間へ。