最適消費 — 自分の交換比率と市場の交換比率が一致する点で決まります
満足度のライン(無差別曲線)は右上にあるほどうれしい。でも財布の壁(予算制約線)の外へは出られない。だったら答えはひとつ——無差別曲線を右上へ押し上げていき、予算制約線にぎりぎり触れたところで止める。
この接点が最適消費点です。試験ではこの「接する」条件を式で書かせ、効用関数から具体的な消費量を計算させます——パターンが完全に決まっている、確実に取れる計算問題です。
最適消費点はどんな条件で決まり、効用関数と価格・所得からどう計算するのでしょうか。
「自分のレート」と「市場のレート」が一致する点です
接点では、無差別曲線の傾き(限界代替率MRS=自分にとっての交換レート)と、予算制約線の傾き(価格比Px/Py=市場が決めた交換レート)が一致します。
一致しないとどうなるか。自分のレートが市場より高ければ「市場で交換した方が得」なので消費の組み替えが進み、結局レートが釣り合う点に落ち着きます。MRS=Px/Py、すなわちMUx/MUy=Px/Py——これが効用最大化の1階条件(等限界効用の法則と同じ内容)です。
計算は2手で終わります——接点条件→予算制約に代入
例題(素材転記):U=xy、Px=2、Py=4、I=40。①限界効用を求める:MUx=y、MUy=x。②接点条件:y/x=2/4 → y=x/2。③予算制約 2x+4y=40 に代入:2x+4·(x/2)=4x=40 → x=10、y=5。検算:2×10+4×5=40 ✓。
偏微分の罠に注意。U=x²y なら MUx=2xy(xで微分:指数2を前に降ろして1減らす)、MUy=x²(yで微分:x²は係数扱い)。「MUx=x²」のような肢が計算ミスを誘います。べき乗型(コブ=ダグラス型)ならこの2手でどんな数字でも解けます。
MRSの上下と偏微分——落とし穴は2か所だけです
第一の罠は接点条件の上下。MRS=MUx/MUy=Px/Py——分子はどちらも「横軸の財(X)」です。MUy/MUx=Px/Pyと逆に書くと、答えの比率がひっくり返ります。「Xが上」で統一してください。
第二の罠は偏微分。U=x²yのMUxを「x²」や「2x」とする誤り——正しくは2xy(yは係数として残る)。微分する変数以外は定数扱い、が偏微分のすべてです。
接点条件の考え方は、限られた予算の配分相談そのものです。「広告費を紙のチラシとWeb広告にどう割り振るか」——最後の1万円が生む効果(限界効用)が両者で等しくなるまで配分を寄せる、という等限界効用の発想は、販促費・人員配置・仕入枠の設計にそのまま使えます。
冒頭の問いに答えます。最適消費点は、自分の交換レート(MRS=MUx/MUy)と市場の交換レート(Px/Py)が一致する接点で決まり、計算は「接点条件→予算制約に代入」の2手で終わります(U=xy、Px=2、Py=4、I=40ならx=10・y=5)。では価格が変わったとき消費はどう動くか——所得効果と代替効果の分解へ進みます。