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経営情報システム / 計算と統計計算
計算と統計 4/6 / 約5分

IT用語の現在地 — なぜ生まれたかで覚える

ゼロトラスト、マイクロサービス、生成AI、RPA——毎年のように新語が試験に紛れ込みます。丸暗記は際限がありませんが、幸い近年の用語は「何に困って生まれたか」で覚えると芋づる式に定着します。

このユニットは、その「困りごと→答え」の対応で頻出語を総ざらいします。

この5分の問い

ゼロトラスト・マイクロサービス・生成AI・RPAなどの頻出IT用語は、それぞれ何に答える技術なのでしょうか。

直感でつかむ

「困りごと→答え」で4系統に整理します

守り方の更新——社内は安全という前提が在宅勤務とクラウドで崩れた→ゼロトラスト(境界防御を捨て、全アクセスをその都度検証)。端末の侵入を前提に検知・対応するEDR、事故対応の専門チームCSIRT、取引先経由で侵入するサプライチェーン攻撃への警戒も同じ文脈です。

作り方の更新——巨大な一枚岩のシステムは直すたびに全体を止める→マイクロサービス小さく独立したサービスの集合で作り、部分ごとに更新)。それを支えるのがコンテナ技術——Docker=コンテナを作る道具、Kubernetes=大量のコンテナを自動運用(オーケストレーション)する道具です。サーバー管理そのものを手放すサーバーレスもこの系統です。

新語の合言葉なぜ生まれたかで覚える——Docker=コンテナを作る/Kubernetes=コンテナを運用する、データレイク=生のまま/DWH=加工済み
厳密に見る

データとAI、自動化の系統も「困りごと→答え」で並べます

データとAI——加工してから貯める従来のデータウェアハウス(DWH)に対し、データレイク生データをそのまま貯めて後から使い道を決める湖。生成AIは文章・画像を新たに作り出すAIで、社内文書を検索して回答に根拠を持たせる仕組みがRAG(検索拡張生成)。機械学習の開発と運用を一体で回すMLOpsもここです。

自動化と分散——人がPC画面で行う定型操作をソフトウェアのロボットに写し取らせるのがRPA(プログラミング不要の自動化)、開発自体を省力化するのがノーコード/ローコードブロックチェーンは取引記録をブロックの鎖として分散管理し改ざんを困難にする台帳技術——その上の一意なデジタル資産がNFT、分散型ウェブの構想がWeb3.0。現実の設備をデジタル空間に写して実験するデジタルツインも頻出です。

結論が反転する分かれ目
Docker
コンテナを作る
アプリと実行環境をひとまとめに梱包
Kubernetes
コンテナを運用する
大量のコンテナの配置・復旧を自動化(オーケストレーション)
分かれ目 「作る」と「運用する」。役割を交換した肢が定番の的です。
ここで間違える

DockerとKubernetes、レイクとDWHの役割交換が定番です

定番の誤り肢は役割の交換——「Dockerはコンテナのオーケストレーションツールである」(それはKubernetes。Dockerはコンテナを作る側)。「データレイクは加工済みデータを格納する」も逆——生のままがレイク、加工済みがDWHです。

ゼロトラストは「境界の内側を信頼する考え方」と逆に書かれるのが的——内側も信頼しない(都度検証)が本義です。RPAを「AIによる自律的な判断を伴う自動化」とする肢も誤り——RPAは決められた手順の再現で、判断はしません。

実務では

顧問先との会話でこの語彙は「ベンダーの提案書の翻訳」に使えます——「ゼロトラスト対応」とあれば在宅勤務の認証強化の話か、「RPA導入」とあれば定型事務の置き換え(判断業務は残る)の話。診断士が仕組みの一言定義を添えるだけで、経営者は投資判断の土俵に乗れます。中小企業のRPAは「毎月の請求書転記」のような件数が多く手順が固定の業務から始めるのが定石です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。ゼロトラスト=内側も信頼せず全アクセスを検証、マイクロサービス=小さく独立した部品の集合(Docker=作る・Kubernetes=運用する)、データレイク=生のまま貯める(DWH=加工済み)、生成AI=新たに作り出すAI(RAG=検索で根拠づけ)、RPA=画面操作の再現——どれも「何に困って生まれたか」とセットで覚えれば崩れません。これで経営情報システム18ユニットが完成——診断士は残り1科目、中小企業経営・政策です。