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経営情報システム / 計算と統計計算
計算と統計 3/6 / 約5分

相関と回帰 — 関係の強さを測り、直線で予測する

「気温が上がるとアイスの売上が伸びる」——販売データを散布図にすると、点が右上がりに並びます。この関係の強さを1つの数字にしたのが相関係数、関係を直線の式にして予測に使うのが回帰分析です。

そして統計で一番よく問われる引っかけがここにあります——「相関がある」は「原因である」ではない

この5分の問い

相関係数は何を測り、回帰分析は何をして、決定係数は何を表すのでしょうか。

直感でつかむ

相関係数は−1から+1——符号が向き、絶対値が強さです

相関係数(r)は2つの量の直線的な関係の強さを測り、必ず−1から+1の間に収まります。+1に近いほど強い正の相関(右上がり)、−1に近いほど強い負の相関(右下がり)、0付近は直線的な関係がない。符号=向き、絶対値=強さ、で読みます。

回帰分析は、関係をy=a+bxという直線の式にします——気温(x)から売上(y)を予測する道具。直線の引き方は最小二乗法=各点と直線のズレ(残差)の二乗和が最小になるように決めます。説明する変数が1つなら単回帰、複数なら重回帰です。

関係の合言葉相関係数=−1〜+1(符号が向き・絶対値が強さ)——回帰は最小二乗法で直線を引き、決定係数R²=説明できる割合
厳密に見る

決定係数R²——「モデルで説明できた割合」を0〜1で表します

引いた直線がどれだけ当てはまっているかを測るのが決定係数(R²)——目的変数(売上)のばらつきのうち、モデルで説明できた割合で、0〜1の値を取ります。R²=0.81なら「売上の変動の81%は気温で説明できる」。単回帰ではR²=相関係数の二乗(r=0.9ならR²=0.81)という関係も問われます。

注意点は2つ——①相関係数が測るのは直線的な関係だけ(U字型の関係はr≈0になりうる)。②相関係数は外れ値に敏感で、1点の異常値で大きく動きます。散布図を見ずにrだけで判断しない、が実務の作法です。

結論が反転する分かれ目
相関
一緒に動く、というだけ
アイスの売上と水難事故——第三の変数(気温)が両方を動かす
因果
一方が他方を引き起こす
向きの特定には実験・統制が必要——相関からは言えない
分かれ目 「相関があるので原因である」への飛躍が最頻の誤り肢。疑似相関を疑ってください。
ここで間違える

「相関=因果」への飛躍が、最大にして最頻の的です

最重要の誤り肢が相関と因果の混同——「アイスの売上と水難事故に強い正の相関があるので、アイスが事故の原因である」。実際は気温という第三の変数が両方を動かしています(疑似相関)。相関は「一緒に動く」ことしか言っておらず、原因の向きも、原因かどうかも言っていません

数字の的は範囲——「相関係数が1.5」はあり得ません(−1〜+1)。「r=0なら2つの量は無関係」も厳密には誤り——直線的な関係がないだけで、曲線的な関係は残りえます。

実務では

顧問先のデータ分析で回帰は「予測」より先に「説得」に効きます——「販促費と売上の散布図に直線を引くと、R²=0.7。販促費で売上の7割が説明できる」という一枚は、経験談より強い稟議資料になります。ただし相関=因果の罠はここでも本番——「朝礼をやった月は売上が高い」の裏に繁忙期という第三の変数がいないか、疑うのが診断士の仕事です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。相関係数は直線的な関係の強さを−1〜+1で測り(符号=向き・絶対値=強さ)、回帰分析は最小二乗法(残差二乗和の最小化)でy=a+bxの直線を引いて予測に使い、決定係数R²はモデルで説明できたばらつきの割合(単回帰ではrの二乗)です。そして相関は因果ではない——第三の変数を常に疑うこと。仕上げは、試験が好きな「今どきのIT用語」の総ざらいへ。