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経営法務 / ブランドと創作の権利ブラ
ブランドと創作の権利 5/6 / 約5分

不正競争 — 地元の有名は「混同」で、全国区は「使うだけ」でアウトです

商標登録していなくても、ブランドは守られることがあります——不正競争防止法です。ただし守られ方に2段階ある——地元で有名な表示は「客が混同するなら」アウト、全国区の著名ブランドは「混同しなくても使うだけで」アウト。

この「混同のおそれが要るか要らないか」の一点が、周知と著名を分ける試験の的です。

この5分の問い

不正競争防止法で、「周知表示」と「著名表示」の扱いはなぜ違うのでしょうか。

直感でつかむ

周知=混同が要件、著名=混同不要——薄まるだけでダメです

周知表示混同惹起行為(2条1項1号)——需要者の間に広く認識された(=周知な)他人の表示と同一・類似の表示を使い、混同を生じさせる行為。要件は周知性・同一類似・混同のおそれの3点セットです。

著名表示冒用行為(2号)——全国区の著名な表示なら、同一・類似の表示を自己の表示として使うだけで不正競争になります——混同のおそれは不要。誰も間違えなくても、あの名前を無関係な商品に使われるとブランドの特別感が薄まる(希釈化)——それ自体を防ぐ規定です。

周知と著名の合言葉周知(1号)=混同のおそれが必要/著名(2号)=混同不要——薄まること(希釈化)自体を防ぐ
厳密に見る

「なぜ著名は混同不要か」——希釈化の理屈まで固めます

老舗の高級ブランド名を、まったく別分野の商品に付けたとします——客は「あのブランドの新事業だ」とは思わない(混同はない)。それでも、あの名前が安売り雑貨に並ぶだけで特別感が目減りしていく——これが希釈化(ダイリューション)で、著名表示を混同なしで守る理由です。

周知と著名は知られている範囲の広さの違いでもあります——周知は一地方でも足りうる、著名は全国レベル。登録商標がなくても戦えるこの2つの規定は、商標法の外側のセーフティネットとして位置づけて覚えます。

結論が反転する分かれ目
周知表示混同惹起
周知性+同一類似+混同のおそれ
一地方の周知でも足りうる。混同が要件
著名表示冒用
著名性+同一類似の使用のみ
全国区。混同不要——希釈化そのものを防ぐ
分かれ目 「著名も混同が必要」の水増しが定番の誤り。格上ほど要件が軽い——薄まるだけでダメ、です。
ここで間違える

「著名表示も混同のおそれが必要」——要件の水増しが定番です

定番の誤り肢は要件のすり替え——「著名表示冒用行為が成立するには、混同のおそれが必要である」(誤り——著名は混同不要。混同が要るのは周知の1号)。逆に「周知表示は混同がなくても不正競争になる」も誤りです。

「不正競争防止法の保護を受けるには商標登録が必要」も定番の誤り——この法律は登録なしで実態(周知性・著名性)に基づいて守る仕組みです。

実務では

「商標を取っていなかった屋号を、隣町の新店に真似された」——中小企業の駆け込み相談の定番です。登録がなくても、周知性(地元での認知・営業年数・広告実績)と混同の実例(客の取り違え・誤配)を集めれば1号で戦える。日頃から広告物・取材記事・売上資料を保存しておくことが、登録なきブランドの防衛線になります(訴訟は弁護士へ——証拠の棚卸しまでが診断士の仕事です)。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。周知表示(1号)は周知性・同一類似・混同のおそれの3要件、著名表示(2号)は混同不要——薄まること(希釈化)自体を防ぐからです。どちらも登録不要の実態ベースの保護。知財の最終ユニットは、そもそも「秘密」を守る話——営業秘密の3要件へ。