信用保証 — 肩代わりの約束と、緊急時の別枠
実績の浅い中小企業が銀行に融資を申し込むと、「保証人はいますか」の壁に当たります。この壁を公的に越えるのが信用保証協会——「返せなかったら、私が肩代わりします」と約束してくれる公的機関です。
そして災害や不況のような特別な事情のときは、通常の枠とは別の枠が開きます——セーフティネット保証です。
信用保証制度はどんな仕組みで、セーフティネット保証4号と5号はどう違うのでしょうか。
三者構造+保険——肩代わりのリスクは保険で受け止めます
仕組みは三者構造です——中小企業が金融機関から借り、信用保証協会が保証する。返済が滞れば協会が金融機関へ代位弁済し、以後は協会が中小企業から回収します。協会自身のリスクは、日本政策金融公庫が引き受ける信用保険(中小企業信用保険法)でカバーされる——保証の後ろに保険が控える二段構えです。
一般保証の限度額は普通保証2億円+無担保保証8,000万円(合計2億8,000万円)が基本の枠です(目安)。
セーフティネット4号と5号——数字が3つずつ対になっています
セーフティネット保証(中小企業信用保険法2条5項・1〜8号)は、特別な事情の企業に一般保証とは別枠を開く制度で、頻出は4号と5号です。4号(突発的災害)——自然災害等の指定地域で、最近1ヶ月の売上高が前年同月比20%以上減少(かつ以後2ヶ月を含む3ヶ月で20%以上減の見込み)。市区町村長の認定を受け、協会は借入額の100%を保証します。5号(業況悪化業種)——国が指定した不況業種で、最近3ヶ月の売上高が前年同期比5%以上減少等。同じく市区町村長の認定で、保証は80%(責任共有——金融機関も2割のリスクを持つ)です。
20%と5%・100%と80%の対を崩す肢が定番です
定番の誤り肢は減少率の入れ替え——「4号は売上高5%以上の減少で認定される」(4号は20%。5%は5号)。中間の数字(15%など)を出して両方と違える改変も見られます——4号=20%・5号=5%の対で固定してください。
保証割合も対です——4号は100%保証、5号は80%保証(責任共有制度)。「5号も100%保証」は誤り。役割の二層にも注意——5号の業種の指定は国(経済産業大臣)、個社の認定は市区町村長(4号の地域指定も国・認定は市区町村長)。「大臣が認定する」「知事が認定する」のすり替えが的です。
災害や急激な業況悪化のニュースが顧問先の業種・地域に重なったら、診断士がまず確認するのは「4号の指定地域か・5号の指定業種か」です(中小企業庁が随時指定・告示)。該当すれば、市区町村の窓口で認定→保証協会・金融機関へ、の順。認定は市区町村という導線を知っているだけで、資金繰りの初動が数日変わります。平時から自社の業種が5号指定リストに載っているか見ておくのも転ばぬ先の杖です。
冒頭の問いに答えます。信用保証は中小企業・金融機関・信用保証協会の三者構造で、協会の代位弁済リスクは日本政策金融公庫の信用保険が受け止めます(一般枠=普通2億+無担保8,000万・目安)。セーフティネット保証は別枠で、4号=災害等・前年同月比20%減・100%保証、5号=指定業種・前年同期比5%減・80%保証、認定はどちらも市区町村長。次は小規模事業者の味方——マル経融資と商工会・商工会議所へ。