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中小企業経営・政策 / 経営支援の計画たち経営
経営支援の計画たち 3/4 / 約5分

創業支援 — 公庫の融資と、市区町村のお墨付き

創業したての人には、担保も保証人も、実績もないのが普通です。銀行が貸しにくいこの層に貸すのが政府系の日本政策金融公庫——創業融資の入口です。

ここは近年制度が大きく再編された時点論点でもあります。古い知識のままだと誤り肢に乗るので、現在形をきちんと持ち帰ります。

この5分の問い

公庫の創業向け融資は今どんな制度で、市区町村の創業支援には何の特典があるのでしょうか。

直感でつかむ

現行は「新規開業・スタートアップ支援資金」——旧制度は廃止されました

かつての新創業融資制度(無担保・無保証人、自己資金要件=創業資金総額の10分の1以上)は2024年3月末で廃止され、新規開業資金へ一本化——2025年3月から名称が「新規開業・スタートアップ支援資金」になりました。ポイントは3つ——①対象は新たに事業を始める方〜開業後おおむね7年以内、②制度上の自己資金要件は撤廃(ただし審査では自己資金の準備状況が引き続き重視されます)、③担保・保証人は柔軟に設定可能(無担保・無保証人での利用も可)。

創業融資の合言葉現行=新規開業・スタートアップ支援資金(旧・新創業融資制度は2024年廃止・自己資金要件は撤廃
厳密に見る

特定創業支援等事業——市区町村のお墨付きに特典がつきます

もう1つの柱が特定創業支援等事業(産業競争力強化法に基づく)——市区町村が創業支援等事業者(商工会・商工会議所・NPO等)と組んで行う支援プログラム(経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野の知識習得が典型)を受講し、市区町村の証明書をもらうと特典が付きます——会社設立登記の登録免許税が半額(株式会社なら最低15万円→7.5万円・目安)・信用保証や融資の要件面での優遇・補助金申請での加点などです。

覚え方は「公庫=お金を貸す市区町村=学んだ証明で税と信用を優遇」の役割分担です。

結論が反転する分かれ目
公庫
新規開業・スタートアップ支援資金
お金を貸す——開業後おおむね7年以内・自己資金要件は撤廃
市区町村
特定創業支援等事業
学んだ証明で優遇——登録免許税半額・保証や加点
分かれ目 「貸す」と「証明で優遇」の役割分担。特典の帰属替えと時点ズレが的です。
ここで間違える

廃止済みの「新創業融資制度」を現行として出す時点ズレが最大の的です

最大の的は時点ズレ——「新創業融資制度では自己資金要件として創業資金総額の10分の1以上が必要である」を現行制度の説明として出されたら誤りです(制度自体が2024年に廃止・要件も撤廃)。旧制度の記憶で解くと裏目に出る、典型的な改正直後論点です。

特典の帰属も的——「特定創業支援等事業の証明で法人税が半額になる」(誤り——半額になるのは会社設立登記の登録免許税)。「都道府県が証明書を交付する」も誤り——市区町村です。

実務では

創業相談の実務手順はこの2本柱の順番がコツです——まず特定創業支援等事業の受講を先に案内する(登録免許税半額は設立登記の前に証明書が要るため、順番を間違うと特典が消えます)。次に公庫の融資へ。自己資金要件は制度上なくなりましたが、審査では自己資金の貯め方(コツコツ貯めた通帳の履歴)が人物評価そのもの——「見せ金は一目で分かる」と伝えるのが、診断士の誠実な助言です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。公庫の創業融資は現行「新規開業・スタートアップ支援資金」——旧・新創業融資制度は2024年3月末で廃止され、自己資金要件(10分の1)も撤廃されました(審査上は自己資金が引き続き重要)。市区町村の特定創業支援等事業は受講の証明で登録免許税半額などの特典——「公庫=貸す・市区町村=証明で優遇」の役割分担です。次は、生まれた会社が苦しくなったときの駆け込み先——活性化協議会へ。