不服申立ての期間 — 審査請求3か月、裁判6か月
不服申立ての世界では、締切を1日過ぎただけで、主張の中身がどれほど正しくても門前払い(却下)になります。そして行政不服審査法と行政事件訴訟法は、よく似た場面に違う数字を使っています。3か月と6か月、1か月と1年。出題者にとって、これほど作問しやすい素材はありません。
この5分で覚える数字は3つだけです。あとは起算の言い回しを1つ押さえれば、期間問題は得点源に変わります。
審査請求・再調査・再審査は、それぞれいつまでにしなければならないのでしょうか。
数字は「3・3・1」、共通の保険は「1年と正当な理由」です
主観的期間(知ってから)の数字だけ並べると、審査請求3か月・再調査の請求3か月・再審査請求1か月です。裁判(取消訴訟の6か月)の半分が審査請求、そのまた3分の1が再審査、と覚えられます。
どの期間にも、知らないまま時が過ぎた場合の上限(処分等の日の翌日から1年)と、「正当な理由があるときは、この限りでない」という救済の但書が付いています。
18条・54条・62条は、同じ型で数字だけ違います
基本形は審査請求期間です。読みどころは「翌日から起算して」です。
処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月…を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。(行審法18条1項)
客観的期間は、処分があった日の翌日から起算して1年です(同2項)。再調査の請求も同じ型で、知った日の翌日から3か月・処分の日の翌日から1年(54条)。再審査請求だけ短く、原裁決を知った日の翌日から1か月・原裁決の日の翌日から1年です(62条)。
行訴法との接続も18条1項の括弧書きが決めています。再調査の請求をしたときの審査請求は、その決定があったことを知った日の翌日から起算して1か月です。そして審査請求を経てから取消訴訟を起こす場合、出訴期間は裁決があったことを知った日から6か月に切り替わります(行訴法14条3項)。締切の起点が「処分」から「決定・裁決」へ順送りされていく構造です。
「3か月」と「6か月」の入れ替えが、最頻出の一手です
「審査請求は、処分があったことを知った日から6か月以内にしなければならない」——この肢は行訴法の数字との入れ替えで、誤りです。審査請求は3か月、取消訴訟が6か月です。逆向きの入れ替え(取消訴訟を3か月とする肢)も出ます。
起算の言い回しにも罠があります。行審法は「知った日の翌日から起算して」と明記しています。行訴法14条は「知った日から」です。条文の文言どおりに覚えてください。
断定語の手口は期間問題でも同じです。「期間を経過した審査請求は、いかなる場合も却下される」は誤りで、どの期間にも正当な理由の但書があります。
「この処分、争えますか」という相談の初動は、Wave 1で見た取消訴訟のときと同じく日付の確定です。処分通知書の教示欄で不服申立先と期間を確かめ、審査請求3か月・取消訴訟6か月の残り時間を並べて示します。期限管理は代理業務の生命線で、1日の読み違いが依頼者の権利を消します。カレンダーに入れるのは「知った日の翌日」からの起算である点まで含めて、です。
答えです。審査請求と再調査の請求は知った日の翌日から3か月、再審査請求は1か月、いずれも客観1年と正当な理由の但書付きです。締切に間に合ったら、次の問題は「争っている間、処分は止まるのか」。行訴法で見た景色と、少しだけ違います。