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財務・会計 / 主要会計基準主要
主要会計基準 4/4 / 約5分

連結 — 家族の家計簿では、仕送りを消して看板代を認識します

親会社が子会社に商品を売って利益を計上する——グループの外から見れば、これは右のポケットから左のポケットへお金を移しただけです。親子を1つの会社とみなして家計簿をまとめ直すのが連結財務諸表で、まとめる際に「消すもの」と「新たに現れるもの」があります。

消すのは内部のやりとり、現れるのは「のれん」です。

この5分の問い

連結の範囲はどう決まり、何を消去し、のれんはどう計算されるのでしょうか。

直感でつかむ

範囲は「支配」、消すのは「身内のやりとり」です

連結の輪に入るのは子会社=議決権の50%超を保有(または実質支配)する会社です。関連会社=20%以上で重要な影響を与える会社は、丸ごと合算せず持分法(当期純利益の持分割合だけを「持分法による投資利益」として取り込む)で扱います。

まとめ直しで消すのは3つ。①投資と資本の相殺(親の「子会社株式」と子の資本は、内輪の出資なので相殺)②内部取引の消去(親子間の売買・債権債務)③未実現利益の消去(親が子に売った商品がまだ在庫なら、その利益はグループ外に実現していない)。

連結の合言葉子会社は50%超で丸ごと連結、関連会社は20%以上で持分法。身内のやりとりは消す
厳密に見る

のれん=払った額と「取り分の時価」の差額です

親会社Pが、子会社S(資本金1,000万円・利益剰余金500万円=純資産1,500万円。評価差額はない前提)の株式80%を1,400万円で取得したとします。Pの取り分は1,500×80%=1,200万円。それを1,400万円で買った——差額200万円がのれん(ブランドや顧客基盤など、帳簿に載らない価値への上乗せ=看板代)です。残る20%は非支配株主持分=1,500×20%=300万円として純資産に表示します。

のれんの後日談も出題されます。日本基準は20年以内の規則的償却、IFRSは償却せず毎年の減損テスト——この対比は定番です。

未実現利益も数値で。親が子に売った商品のうち期末在庫が200万円、利益率25%なら、未実現利益=200×25%=50万円を消去します(借方 売上原価50万円/貸方 棚卸資産50万円)。

結論が反転する分かれ目
子会社
議決権50%超(実質支配)
全部連結——B/S・P/Lを丸ごと合算し、内部取引を消去
関連会社
議決権20%以上
持分法——当期純利益×持分割合を1行で取り込む
分かれ目 「半分を超えたら家族、5分の1以上なら親戚」。閾値のすり替え(20%超で子会社等)が定番の罠です。
ここで間違える

のれんの計算で「全体の純資産」と引かせる肢が定番です

のれん=取得対価1,400万円−純資産全体1,500万円=−100万円?——誤りです。引くのは純資産全体ではなく親会社の取り分(持分割合を掛けた額)。1,400−1,200=200万円がのれんです。持分割合の掛け忘れは、符号まで狂わせるので選択肢がもっともらしく割れます。

範囲の数字もすり替えられます。「議決権の20%超で子会社」「50%以上で関連会社」——正しくは50%超=子会社(連結)・20%以上=関連会社(持分法)。「半分を超えたら家族、5分の1以上なら親戚」で固定してください。

実務では

「うちも子会社を作ったんだが、決算はどうなるの?」。グループ経営の入口で、単体と連結の違い——内部取引は消える、子会社の利益は非支配分を除いて取り込まれる——を説明できると、グループ内取引の値付けや配当方針の相談まで話が届きます。M&Aの場面では、のれん=「純資産を超えて払う根拠」の言語化が、そのまま買収価格の交渉材料になります。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。50%超の支配で丸ごと連結(20%以上は持分法)、身内のやりとり(投資と資本・内部取引・未実現利益)を消し、取得対価と持分時価の差をのれんとして認識します(日本基準は20年以内償却)。——これで主要会計基準の4ユニットが揃い、財務・会計は収穫マップの主要候補を走り切りました。ここまでの34ユニットを通しでドリルして、財務を得点の柱にしてください。