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運営管理 / 現場改善現場
現場改善 2/3 / 約5分

JIT — 取られた分だけ握る、回転寿司のキッチンです

回転寿司のキッチンを想像してください。先に大量に握ってレーンに流し、売れ残りを廃棄する店(プッシュ型)と、レーンから皿が取られた分だけ次を握る店(プル型)——どちらのキッチンが、廃棄も鮮度も優れているかは明らかです。

「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」——トヨタ生産方式のJITと、それを動かすかんばんの仕組みが今回の主役です。

この5分の問い

「必要なものを必要なときに必要なだけ」作るには、どんな仕組みが要るのでしょうか。

直感でつかむ

後工程が前工程に「引き取りに行く」——プル型です

JIT(ジャスト・イン・タイム)はトヨタ生産方式の2本柱の1つです(もう1本は異常があれば止まる自働化)。従来の「作った物を後ろへ押し出す」プッシュ型に対し、JITは後工程が使った分だけ前工程に引き取りに行くプル型——起点が需要側にあります。

この引き取りの指示書がかんばん——後工程が部品を引き取るときの引き取りかんばんと、前工程に生産を指示する仕掛けかんばんの2種類が循環し、「使った分だけ作る」を紙(今は電子)で回します。前提として、生産量を平らにならす平準化が要ります。

JITの合言葉プル型=後工程引き取り——かんばんは引き取り用と仕掛け用の2種類。前提は平準化
厳密に見る

7つのムダとセル生産——「作りすぎ」が最大の敵です

JITが狩る対象が7つのムダ(大野耐一)——作りすぎ・手待ち・運搬・加工そのもの・在庫・動作・不良。中でも作りすぎのムダが最悪とされます——作りすぎは在庫・運搬・手直しなど他のムダを連鎖的に生み、問題を在庫の陰に隠すからです。

セル生産方式——ライン生産と対照的に、1人または少人数のチームがU字型などの作業台で全工程(または多工程)を担当する方式。多品種少量に向き、前提条件は1人が複数の作業をこなせる多能工化です。

結論が反転する分かれ目
プッシュ型
計画に基づき前から押し出す
見込で作って後ろへ流す。予測が外れると作りすぎ・在庫の山
プル型(JIT・かんばん)
後工程が使った分だけ引き取る
起点は需要側。取られた分だけ握る回転寿司のキッチン
分かれ目 「JIT=プッシュ」「かんばん=押し出す」の向き逆転が最頻出。引き取る、が正しい向きです。
ここで間違える

「JITはプッシュ型」「かんばんは押し出す」——向きの逆転が定番です

最頻出の誤り肢は「JITでは、前工程が生産計画に基づいて後工程へ部品を押し出す」——真逆です。JITは後工程が引き取るプル型——押し出すのは従来型(プッシュ)の側です。回転寿司の絵(取られた分だけ握る)で向きを固定してください。

「7つのムダのうち最も避けるべきは在庫のムダ」も微妙な引っかけ——トヨタの整理では作りすぎのムダが最悪(在庫はその結果)とされます。

実務では

JITの発想は工場以外でも効きます——飲食店の仕込み量、小売の発注ロット、事務のまとめ処理。「まとめて作った方が効率的」の裏で、廃棄・保管・手直しのコストが膨らんでいないか。「作りすぎていませんか」という問いは、在庫の山に隠れた問題(需要とのずれ・段取りの長さ)を引きずり出す、現場診断の入口です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。JITは後工程が使った分だけ引き取るプル型で、2種類のかんばん(引き取り・仕掛け)と平準化がそれを支え、7つのムダ——最悪は作りすぎ——を狩ります(セル生産は多能工前提の多品種少量向き)。次は「同じ機能をより安く」——VE(価値工学)へ。