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2次試験対策 / 事例IVの計算事例
事例IVの計算 2/3 / 約5分

投資の経済性計算 — CFは「初年度・毎年度・最終年度」の3行で拾います

NPVの式そのもの——将来CFの現在価値合計から初期投資を引く——は1次で学んだとおりです。事例IVで問われるのは、この式に入れるCFをどう組み立てるかです。与件文と財務諸表に散らばった数字を、初期投資・毎年のCF・最終年度のCFという3行に整理できるかどうかで、得点が大きく分かれます。

加えて、割引計算そのものの手数も時間配分を左右します。今日は、この組み立ての型と、検算の道具を押さえます。

この5分の問い

事例IVの投資判断の設問では、CFをどう組み立て、割引計算とチェックをどう進めるのが定石なのでしょうか。

直感でつかむ

CFは「初年度・毎年度・最終年度」の3行に整理します

事例IVの設備投資CFは、型として3行に整理できるとされます。初年度=設備購入額(アウト)+運転資本の増加(アウト)。旧設備がある場合は、その売却収入を加算します(税効果を含む)。毎年度=税引後利益の増分+減価償却費。最終年度=残存価値+運転資本の回収。この3行に、与件文と財務諸表の数字を当てはめていく作業が、事例IVのCF問題の骨格です。

割引計算そのものは、現価係数が問題文で与えられていれば掛け算1回です。たとえば割引率5%・3年後の100万円の現在価値は、現価係数0.864を使って100万円×0.864=86.4万円と一発で出ます。

投資計算の合言葉CFは初年度・毎年度・最終年度の3行——割引計算は現価係数が与えられれば掛け算1回
厳密に見る

NPV計算は6ステップで検算し、回収期間法は補助的に使います

CFを組み立てたあとのNPV計算は、6ステップのチェックリストで見直せるとされます——Step1初期投資額の特定(設備購入額・据付費用・旧設備売却収入・売却損益の税効果)、Step2毎年のCF計算(税引前CF・減価償却費・税引後CF)、Step3運転資本の増減(初年度の増加はマイナス、最終年度の回収はプラス)、Step4残存価値の考慮(売却価値・税効果)、Step5割引計算、Step6NPV算出。答案を書き終えたら、この6項目を上から指で辿って抜けがないかを確認する使い方ができます。

回収期間法(初期投資額÷年間CF)は、事例IVでも補助的な物差しとして出題されます。たとえば初期投資1,000万円・年間CF250万円なら、回収期間=1,000万円÷250万円=4年です。計算は簡単で流動性リスクの説明にも使えますが、回収後のCFを無視し、時間価値も考慮しない、という弱点は1次で学んだとおりです。

なお、割引率そのものは、事例IVの本試験では問題文で与えられることが多いとされます。割引率を自分で算出する時間を見込むより、与えられた値をどこに何回掛けるかの組み立てに時間を使う方が得点効率がよいとされます。

結論が反転する分かれ目
初年度
設備購入額+運転資本増加(アウト)
旧設備がある場合は売却収入を加算(税効果込み)
最終年度
残存価値+運転資本回収
毎年度は税引後利益の増分+減価償却費
分かれ目 「どの行に当てはめるか」——与件文の数字を3行に仕訳けるのが第一歩、が要点です。
ここで間違える

減価償却費の足し戻し忘れ・運転資本の見落とし・残存価値の税効果が3大落とし穴です

NPV計算で最も点を落としやすい見落としは、この3つに集中するとされます。第一に減価償却費の加算忘れ——税引後CFを計算した後、減価償却費を足し戻す最後の1手を忘れる。第二に運転資本増減の見落とし——初年度に増えた運転資本を投資額に含め忘れる、あるいは最終年度の回収を計上し忘れる。第三に残存価値の税効果の見落とし——設備の売却額だけを拾い、売却損益が税金を動かすことを忘れる。

もう1つの的は単純合計との比較です。将来CFを割り引かずに単純合計し、初期投資と比べて「得している」と判断する誤りは、1次のNPVユニットで見た罠と同じ形で事例IVにも登場します。

実務では

「この設備投資、何年目から黒字化しますか」という社長の質問には、初年度・毎年度・最終年度という同じ3行の整理で答えられます。試験で鍛えた組み立ての型は、そのまま投資計画書のレビューに使える実務の道具です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。事例IVのCFは初年度・毎年度・最終年度の3行に組み立て、NPV計算はStep1〜6のチェックリストで見直します。減価償却費の足し戻し・運転資本の増減・残存価値の税効果——3つの見落としを防げれば、投資判断の設問は型どおりに解けます。次は、事例IVのもう1つの定番——CF計算書(間接法)と、計算ミスを防ぐ技法へ。