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2次試験対策 / 事例IVの計算事例
事例IVの計算 3/3 / 約5分

CF計算書と計算ミス対策 — 税引前から出発し、答えを検算します

事例IVのキャッシュフロー計算書(間接法)の設問は、1次で学んだ営業CFの型を土台にしながら、もう一段細かい調整を求めてきます。加えて、事例IVは大問の中に何本もの計算が連なるため、どこかで1つ符号を間違えると、後続の設問まで共倒れになりかねません。

今日は、営業CFの拾い漏れやすい項目と、投資CF・財務CFの型、そして計算ミスを自分で発見する検算の技法をまとめます。

この5分の問い

事例IVのCF計算書と計算ミス対策では、1次の型に加えてどこを押さえればよいのでしょうか。

直感でつかむ

営業CFは税引前当期純利益からスタートし、貸倒引当金の増加額も足し戻します

1次で学んだ営業CFの型は、当期純利益からスタートする簡易版でした。事例IVでは、もう一段丁寧な型——税引前当期純利益+減価償却費(非現金費用)+貸倒引当金増加額±売上債権の増減(増加はマイナス)±棚卸資産の増減(増加はマイナス)±仕入債務の増減(増加はプラス)-法人税等支払額——が問われることがあります。減価償却費と同じく、貸倒引当金の増加額も現金の出ない費用なので足し戻し、最後に実際に支払った法人税等の額を差し引きます。これは1次の簡易版と矛盾するものではなく、同じ計算を税引前当期純利益からより丁寧に捉え直した型です。

投資活動によるCFは-有形固定資産の取得(アウトフロー)+有形固定資産の売却(インフロー)、財務活動によるCFは+借入金の増加-借入金の返済-配当金の支払です。3区分を合計したものが、現金及び現金同等物の増減額になります。

CF計算書の合言葉営業CFは税引前からスタートし、非現金費用(減価償却費・貸倒引当金増加額)を足し戻し、実際の納税額を引きます
厳密に見る

筆算を整え、答えの妥当性を数字そのもので確かめます

事例IVは電卓の使用が認められていても、時間内に何本もの式を通す必要があります。筆算の精度を上げる工夫として、大きく書く・1行1計算・単位を書く(「5,000千円」を「5,000」と略さない)・区切り線を入れる・最終の答えを四角で囲むといった型が挙げられます。

答えが出たら、数字そのものが妥当かを次の物差しで確かめられるとされます——利益率が100%を超えていれば計算ミスROEが50%を超えていれば異常値流動比率が10%以下なら要確認NPVが投資額の10倍以上なら計算ミスの可能性大損益分岐点売上高が実際の売上高を大幅に上回っていれば事業成立の前提が崩れているため要確認自己資本比率がマイナスなら債務超過(あり得る値ではあるが要確認)。答案を提出する前に、この物差しに照らして数字を眺め直す一手間が、事例IVの検算です。

結論が反転する分かれ目
既知の項目
減価償却費
現金の出ない費用——1次の間接法でも足し戻し済み
2次で追加
貸倒引当金増加額
同じく現金の出ない費用として足し戻す
分かれ目 「非現金費用はどれも足し戻す」——同じ発想の適用範囲が広がります、が要点です。
ここで間違える

単位の混在と、端数処理の指示の見落としが的です

計算ミスの入口は単位です。財務諸表が千円単位と百万円単位で混在している問題では、桁を1つ間違えるだけで答えがまるごと的外れになります。税率適用も同様で、「税引後」の指示を見落として税引前の数値のまま計算を進めるミスが定番です。

もう1つの的は端数処理の指示の見落とし——四捨五入か切り捨てか、問題文の指示を確認しないまま計算を進めると、筋が合っていても不正解になり得ます。ゼロから計算するのか、変化分(増分)だけを計算するのかの確認も同様です。減価償却費を定額法で求める場合の式((取得原価-残存価値)÷耐用年数)や、毎年同額のCFに使う年金現価係数も、問題文の指示・数表と照合してから使うのが手順です。

実務では

顧問先に提出する簡易な投資試算表でも、桁のケタ違いや符号の反転は起こります。事例IVの検算の物差し——「利益率が100%を超えていないか」「回収期間が現実的な年数か」——は、試験のためだけでなく、自分の作った資料を提出前に見直す最後のチェックリストとして、実務でもそのまま使えます。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。事例IVのCF計算書は税引前当期純利益からスタートし、貸倒引当金の増加額も足し戻し、実際の法人税等支払額を引きます。投資CF・財務CFは型どおりに拾い、筆算を整え、利益率100%超やROE50%超といった妥当性チェックで答えを検算する——この技法が、事例IVで自滅しないための最後の砦です。これで事例IVの計算3ユニットが揃いました。