IS-LM — 政府のアクセルは金利を上げ、日銀のアクセルは金利を下げます
景気を良くするアクセルは2つあります。政府がお金を使う(財政政策)と、日銀がお金を増やす(金融政策)。どちらもGDPを押し上げますが、金利への効き方が正反対です——片方は金利を上げながら進み、もう片方は下げながら進む。
この違いを1枚の図で説明するのがIS-LMで、この科目の最大の得点源です(毎年4〜6問・目安16〜24点)。
IS曲線・LM曲線はそれぞれ何の均衡で、財政政策と金融政策は金利とGDPをどう動かすのでしょうか。
ISはモノの市場、LMはお金の市場の「釣り合いの線」です
IS曲線(右下がり)=モノの市場(財市場)が釣り合う金利とGDPの組み合わせ。金利が下がると企業が借りて投資を増やし、GDPが増える——だから右下がりです。政府支出が増えると、同じ金利でもGDPが増えるので右にシフトします。
LM曲線(右上がり)=お金の市場(貨幣市場)の釣り合いの線。GDPが増えると取引にお金が要り、お金の取り合いで金利が上がる——だから右上がりです。日銀がお金を増やすと金利が下がり、右下にシフトします。
クラウディングアウトと流動性の罠——2つの名物論点を固定します
クラウディングアウト:財政政策(G↑)はIS曲線を右に動かし、GDPとともに金利も上がります。金利上昇は民間投資を抑えるので、政府の支出が民間を締め出す形になり、財政政策の効果は乗数どおりには出ません。金融政策(M↑)は金利を下げながらGDPを増やすので、この締め出しは起きません。
流動性の罠:金利がほぼゼロまで下がると、「どうせ金利ゼロなら現金で持っておこう」となり、LM曲線が水平になります。この状態では日銀がお金を増やしてもLM曲線が動かず、金融政策は無効。効くのは財政政策だけで、しかも金利が動かないためクラウディングアウトも起きません——通常時と効き目が反転する、試験の大好物です。
「流動性の罠では金融政策が有効」——逆転させる肢が最頻出です
流動性の罠の結論はセットで固定してください。金融政策は無効・財政政策は有効(クラウディングアウトなし)。この2つを入れ替えたり、片方だけ逆にしたりする肢が定番中の定番です。
シフトの向きも狙われます。増税(T↑)はISを左シフト、物価下落(P↓)は実質貨幣供給を増やすのでLMを右下シフト——「何が・どちらへ」の対応表を、需給曲線のシフト判定と同じ精度で持っておきます。
「金利が上がってきたけど、これって景気にいいの悪いの?」。ニュースの金利を読む枠組みがIS-LMです。財政出動で金利が上がっているなら景気拡大の随伴現象、金融引き締めで上がっているなら景気の逆風——同じ「金利上昇」でも原因の曲線が違えば意味が逆になります。原因から語れるのが、この図を持つ強みです。
冒頭の問いに答えます。ISは財市場・LMは貨幣市場の均衡線で、財政政策はGDP↑金利↑(クラウディングアウトつき)、金融政策はGDP↑金利↓。金利ゼロの流動性の罠では金融が無効・財政が完全に効く——ここまでが経済学の土台5ユニットです。40点保険の残り(比較優位)と行動経済学は次のWaveで拾います。