バーナード — 人が集まっただけでは、組織にはなりません
駅前に100人が立っていても、それは群衆であって組織ではありません。では、同じ100人が「組織」になるのは、何が加わったときでしょうか。
バーナードはこの問いに、3つの要素で答えました。シンプルな定義ですが、この科目では提唱者の入れ替え(バーナード↔サイモン)の筆頭素材として出題されます。
組織が組織として成立するために必要な3つの要素とは何でしょうか。
同じ目的・動く意志・通じ合う回路——3つ揃って組織です
バーナードの定義では、組織の成立要素は3つ。共通目的——全員が同じゴールを共有していること。協働意志(貢献意欲)——そのゴールのために自分の力を出そうという気持ちがあること。コミュニケーション——目的と意志が互いに通じ合う回路があること。
どれか1つ欠けても組織は成立しません。目的がなければただの集まり、意志がなければ名簿の上の存在、回路がなければ足並みは揃わない——「集まっただけでは組織ではない」の中身が、この3点です。
「バーナードの影響を受けたが別理論」——サイモンとの区別が試験の核心です
この論点の試験上の核心は、定義そのものより提唱者の区別にあります。バーナード(『経営者の役割』)が組織の成立条件を論じたのに対し、サイモンはバーナードの影響を受けつつ意思決定を組織分析の中心に据えた別の理論家です(限定合理性・満足化基準)。
「サイモンの組織成立3要素」「バーナードの限定合理性」——どちらも誤り。強い影響関係にあるがゆえに、すり替え肢が作りやすい組み合わせとして定番化しています。人名と理論の対を崩さずに持ってください。
3要素の中身の差し替えにも注意します
提唱者のすり替えに加えて、要素の差し替えも出ます——「共通目的・協働意志・命令系統」「共通目的・分業・コミュニケーション」のような偽3点セットです。命令系統や分業は組織の設計論の言葉で、成立要素ではありません。
共通目的・協働意志・コミュニケーション——この3語の正確な暗記が、そのまま得点になります。
「会議で何も決まらない」「指示が現場に届かない」という相談は、バーナードの3要素で問診できます。目的は共有されているか(そもそも何のための会議か)、貢献する意志はあるか(決まっても動く気がないのでは)、回路は通じているか(決定が現場に翻訳されているか)——どこが欠けているかで、処方箋がまったく変わります。
冒頭の問いに答えます。組織の成立要素は共通目的・協働意志・コミュニケーションの3つで、1つ欠けても組織は成立しません(提唱者はバーナード——意思決定論のサイモンとのすり替えが定番トラップ)。組織が成立したら、次は人をどう動かすか——マズローの欲求5段階へ進みます。