PLC — タピオカの一生に、各段階の打ち手が詰まっています
タピオカドリンクの一生を思い出してください。「何それ?」と言われた時期。行列ができ、参入が相次いだ時期。ブームが落ち着き、生き残りが決まった時期。そして「もういいよ」。
導入・成長・成熟・衰退:商品の一生を4段階で描くのがプロダクトライフサイクル(PLC)です。試験は各段階の特徴と打ち手の対応を突いてきます。
商品の一生の各段階では何を目指し、その一生が終わる前に、次の商品をどう仕込むのでしょうか。
導入・成長・成熟・衰退:4段階で目標が変わります
導入期:売上は小さく、開発と認知の費用がかさみ利益はマイナスが普通。目標は製品を知ってもらうこと。成長期:売上が急伸し利益も増えるが、競合の参入が相次ぐ。目標は市場シェアの最大化。
成熟期:売上の伸びは鈍り市場は飽和。利益は最大に達した後、競争激化で減少に転じます。目標はシェアの維持と差別化。衰退期:売上・利益とも減少。撤退・収穫・リバイバルの見極めが目標です。
衰退が来る前に、次の一生を仕込みます — 新製品開発の8段階とステージゲート
どの商品もいつかは衰退期に入ります。だから会社は、いまの商品が成熟期にあるうちに次の商品を仕込みます。ここから先は、その仕込み方の型です。
新しい一生を生み出す側の型が新製品開発プロセス(コトラー)の8段階:アイデア創出→スクリーニング→コンセプト開発・テスト→マーケティング戦略策定→事業性分析→製品開発→テストマーケティング→商品化。大金がかかる製品開発の前に、紙の上の検証(コンセプトテスト・事業性分析)を済ませる順序に意味があります。
ステージゲートモデル(クーパー)は、各ステージの後にGo/Kill判断の関門を置く運用:途中でやめる仕組みをあらかじめ組み込むことで、ダメな案への追い銭を防ぎます。
「成熟期は利益が増え続ける」:利益カーブの形が定番の的です
定番の誤り肢は「成熟期には売上・利益とも最大となり、増加し続ける」、誤り。成熟期の利益は最大に達した後、価格競争の激化で減少に転じます。売上のカーブと利益のカーブは形が違う(利益のピークの方が早く来る)。ここが最頻出の落とし穴です。
段階と打ち手の付け替えにも注意。「導入期の目標は市場シェアの維持」(誤り:認知の獲得)、「衰退期には広告投資を最大化」(誤り:見極めと縮小の局面)が典型です。
「うちの主力商品、最近伸びないんだよね」。この一言はPLCの問診の入口です。成熟期のサインなら、打ち手は値下げ競争ではなく差別化と用途開拓(リバイバル)、そして次の柱の仕込み(新製品開発)へ。衰退期なら撤退の設計も診断士の仕事です。「その商品はいまどの段階ですか」という問いが、商品戦略の議論を数直線の上に載せてくれます。
冒頭の問いに答えます。導入期は赤字覚悟で認知、成長期は参入増の中でシェア最大化、成熟期は利益が頭打ちから減少に転じる中で維持と差別化、衰退期は見極めです。そして次の一生はアイデア創出から商品化までの8段階+Go/Kill関門(ステージゲート)で仕込みます。マーケティングの土台はここまでです。残りは価格・チャネル・ブランドの各論です。