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企業経営理論 / マーケティングの実践マー
マーケティングの実践 2/6 / 約5分

価格設定 — 998円と松竹梅には、それぞれ理論名があります

998円の弁当は「900円台」に見えます。高級ブランドのバッグは、安売りされた瞬間むしろ欲しくなくなる。居酒屋の松5,000円・竹3,500円・梅2,500円では、多くの人が竹を選ぶ——。

これらには全部、理論名があります。試験は手法名と仕組みの対応、そして新製品のスキミングとペネトレーションの区別を突いてきます。

この5分の問い

価格はどんなアプローチで決められ、心理的な価格設定にはどんな型があるのでしょうか。

直感でつかむ

コストから・需要から・競争から——決め方は3系統+心理です

値決めの出発点は3系統——コスト志向(原価に利益を乗せるコストプラス法、目標利益率から逆算するターゲット・リターン法)・需要志向(顧客が感じる価値から決める知覚価値価格設定など)・競争志向(相場に合わせる現行レート価格設定入札)。

そこに心理的価格設定が重なります——端数価格(998円)・威光価格(高いこと自体が品質の証。プレステージ価格)・段階価格(松竹梅。中間が選ばれやすい)・習慣価格(缶ジュースの「いつもの値段」)。

価格の合言葉決め方3系統=コスト・需要・競争/心理4型=端数・威光・段階・習慣
厳密に見る

新製品の2戦略——高く入って下げるか、安く入って取るか

新製品の価格には対になる2戦略があります。スキミング価格——高価格でスタートし、早期採用者から利益を回収してから徐々に値下げする(新型ゲーム機の型)。開発費の早期回収に向きますが、高値は競合の参入を招きやすい。ペネトレーション価格——低価格でスタートして一気に市場シェアを取り、規模の経済で後から利益を出す(格安SIMの型)。

使い分けの目安も問われます——製品の独自性が高く模倣されにくいならスキミング、需要の価格弾力性が大きく規模の経済が効くならペネトレーション、が定石です。

結論が反転する分かれ目
スキミング(上澄み)
高価格スタート→徐々に値下げ
開発費の早期回収。独自性が高く模倣されにくい製品向き
ペネトレーション(浸透)
低価格スタート→シェア獲得
規模の経済で後から回収。価格弾力性が大きい市場向き
分かれ目 両者の入れ替えが最頻出。skim=上澄みをすくう=高値、penetration=浸透=低価格、と語源で固定します。
ここで間違える

スキミングとペネトレーションの逆転が最頻出です

最頻出の誤り肢は「スキミング価格とは、低価格で市場に参入し早期にシェアを獲得する戦略である」——逆です。スキミング(skim=上澄みをすくう)は高値で上澄みの利益をすくう方、ペネトレーション(penetration=浸透)は低価格で市場に浸透する方——語源で固定できます。

心理4型では「威光価格=値下げでよく売れる」(誤り——高いこと自体が価値の担保で、値下げは逆効果になりうる)、「段階価格=端数の刻み」(誤り——松竹梅の価格帯設定)が典型です。

実務では

「値決めは勘でやってる」という会社に、この3系統は問診票として使えます。原価は把握しているか(コスト志向の足場)、顧客は何にいくら払っているつもりか(需要志向)、競合の相場は(競争志向)——3つの答えを並べると、いまの値段がどれだけ根拠薄弱かが見える。そのうえで松竹梅の3段構えを提案すると、値上げの議論が「どの段を作るか」の議論に変わります。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。価格はコスト・需要・競争の3系統で決まり、心理的価格設定には端数・威光・段階・習慣の4型があります。新製品は高値で利益をすくうスキミングか、低価格で浸透するペネトレーションか——語源で覚えれば逆転肢に釣られません。値段の次は届け方——チャネル設計へ。