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企業経営理論 / リーダーシップと変革リー
リーダーシップと変革 1/4 / 約5分

リーダーシップ — 「生まれつき」から「状況しだい」へ、理論は進化しました

バイトの新人教育を思い出してください。初日は手取り足取り指示する。半年もすれば相談に乗るだけ。1年経てば「任せた」で回る——同じ相手でも、成長に合わせて接し方を変えているはずです。

「良いリーダーの条件」を探す理論は、「生まれつきの資質」から始まり、「行動の型」を経て、「状況しだい」にたどり着きました。この系譜の順番と、各段階の理論×提唱者の対応が試験の的です。

この5分の問い

「良いリーダー」の条件についての考え方は、どんな順番で進化してきたのでしょうか。

直感でつかむ

特性論→行動論→状況適合論→変革型の4段の系譜です

出発点は特性論——「リーダーは生まれつき」という発想ですが、資質だけでは説明できないことが示され(ストッグディル)、関心は行動論へ——優れたリーダーの「行動の型」を探し、課題志向と人間関係志向の2軸が定番になりました(ミシガン研究・オハイオ研究・マネジリアル・グリッド)。

しかし「常に最良の行動」も見つからず、状況適合論(コンティンジェンシー)へ——状況や部下の成熟度によって最適スタイルは変わる(フィードラー・SL理論・パス・ゴール理論)。さらに1980年代からは、ビジョンで組織を動かす変革型リーダーシップが加わります。

系譜の合言葉特性論→行動論→状況適合論→変革型——「生まれつき」→「行動の型」→「状況しだい」→「ビジョン」
厳密に見る

フィードラーとSL理論——「状況」の中身の違いで区別します

状況適合論の2大理論は「状況」の定義が違います。フィードラーの状況適合理論——リーダーのスタイルをLPC尺度(最も苦手な同僚への評価)で測り、状況の好意性との組み合わせで成果が決まるとします。ハーシー&ブランチャードのSL理論——部下の成熟度に応じてS1指示型→S2説得型→S3参加型→S4委任型とスタイルを変えるべきだとします。LPCのフィードラー・成熟度のSL、で固定してください。

行動論のマネジリアル・グリッド(ブレイク&ムートン)は業績への関心×人への関心の9×9で、(9,9)型を理想とします。変革型では、日常の取引(アメとムチ)で動かす取引型と、ビジョンと知的刺激で部下の価値観ごと動かす変革型(バーンズ→バス)の対比、奉仕を軸にするサーバント・リーダーシップ(グリーンリーフ)が肢に出ます。

結論が反転する分かれ目
フィードラー
LPC尺度×状況の好意性
リーダーのスタイルは変わりにくい前提で、状況との組み合わせを診る
ハーシー&ブランチャード(SL)
部下の成熟度でスタイルを変える
S1指示→S2説得→S3参加→S4委任。成熟度に合ったものが最良
分かれ目 同じ状況適合論でも「状況」の中身が違う——LPCのフィードラー・成熟度のSLで固定します。
ここで間違える

「委任型が常に最良」——SL理論の趣旨を裏切る肢が定番です

SL理論の定番トラップは「S4(委任型)が最も優れたスタイルである」——誤り。SL理論の主張は「部下の成熟度に合ったスタイルが最良」であり、新人に委任すれば放置になります。「常に最良のスタイルがある」と言った瞬間、状況適合論の看板と矛盾する——構造で誤りを見抜けます。

提唱者の付け替えでは、LPC尺度をSL理論に、成熟度をフィードラーに紐づける肢、マネジリアル・グリッドをオハイオ研究と混ぜる肢が典型です。

実務では

「店長が育たない」という多店舗展開の相談は、SL理論がそのまま道具になります。エースを店長に上げて放任(S4)した結果つぶれる——成熟度S1の新任店長に必要なのは指示型の伴走です。「その人にいまどのスタイルで接していますか」という問診は、教育制度の設計を具体化する第一歩になります。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。リーダーシップ理論は特性論→行動論→状況適合論→変革型と進化し、「常に最良」の答え探しから「状況・成熟度との適合」へ軸足を移しました(LPCのフィードラー・成熟度のSL理論)。人を率いる話の次は、組織の空気そのもの——シャインの組織文化3層モデルへ。