労働法規 — 数字を1桁変えるひっかけに、条文の数値で反撃します
労働法規の出題は、理論ではなく数値の記憶を突いてきます——「週44時間」「年次有給休暇は14日」「割増賃金は35%以上」。どれも本物の数字を1桁だけ変えたひっかけです。
1日8時間・週40時間・25%・50%・10日・30日・5年・104日——この8つの数字を条文の根拠ごと固定すれば、この分野は得点源になります(数値は法令基準日時点の条文で確認済みです)。
労働時間・賃金・休暇・契約の基本数値と、働き方改革の3点セットは何を定めているのでしょうか。
8・40・25・50・10・30——労働基準法の6つの数字です
法定労働時間=1日8時間・週40時間(労基法32条)。これを超える時間外労働にはいわゆる36協定の締結・届出が要り、割増賃金は25%以上、月60時間を超えた部分は50%以上(37条)。
年次有給休暇=雇入れから6か月継続勤務し8割以上出勤した労働者に10労働日(39条)。解雇予告=少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払う(20条)。労働組合の側は労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)を労働組合法が具体化し、使用者の不当労働行為を禁止しています。
無期転換の「5年」と、働き方改革の3点セットを固めます
労働契約法18条——有期労働契約が通算5年を超えて反復更新されたとき、労働者に無期転換の申込権が発生します(申し込めば使用者は承諾したものとみなされる)。19条は合理的理由を欠く雇止めを制限する法理を明文化しています。
働き方改革の3点セット——①高度プロフェッショナル制度(労基法41条の2):高度専門職を労働時間等の規制から外す制度。本人同意・労使委員会の決議・年間104日以上の休日確保が要件で、全労働者に適用されるものではありません。②同一労働同一賃金(パート有期法8条):正規と非正規の間の不合理な待遇差を禁止(考慮要素=職務内容・職務内容と配置の変更範囲・その他の事情)。③パワハラ防止(労働施策総合推進法30条の2):優越的な関係を背景とし・業務上必要かつ相当な範囲を超え・就業環境を害する——3要件を満たす言動への雇用管理上の措置を事業主に義務づけます。
数字の1桁改変と「高プロは全員に適用」が定番です
最頻出は数値の改変——「週44時間」「割増35%」「年休14日」「予告14日前」「無期転換は3年」。8・40・25・50・10・30・5の並びを条文根拠ごと覚えていれば、全部その場で切れます。
制度の適用範囲では「高度プロフェッショナル制度はすべての労働者に適用しうる」が定番の誤り——年収要件を満たす高度専門職に限られ、本人同意と労使委員会決議が要る例外的制度です。裁量労働制(みなし時間で計算する制度)との混同にも注意してください。
診断士は社労士ではないので、就業規則の作成代行はできません——しかし経営相談の現場で「その残業代の計算、60時間超の50%が漏れていませんか」「有期の方の5年、来年到来しませんか」と気づいて専門家につなぐのは診断士の仕事です。労務リスクは資金繰りと並ぶ中小企業の急所——数字を知っているだけで、経営者の信頼が変わります。
冒頭の問いに答えます。労基法の背骨は1日8時間・週40時間・割増25%(60時間超50%)・年休10日・解雇予告30日、労働契約法は通算5年で無期転換、働き方改革は高プロ(限定的・104日)・同一労働同一賃金(不合理な待遇差の禁止)・パワハラ3要件——数値と要件を条文根拠ごと持てば、1桁改変のひっかけは怖くありません。これで企業経営理論の収穫候補は完全コンプリートです。