英文契約 — 見慣れた条項の英語名を、対で覚えます
海外との取引契約が届いたとき、分厚い英文に圧倒される必要はありません。並んでいるのは、日本の契約書でも見慣れた条項の英語版です。表明保証・損害の補償・不可抗力・準拠法など。
試験は英語名と日本語の役割の対応を突いてきます。8つの頻出条項を対で固定します。
英文契約に頻出するRepresentations and WarrantiesやIndemnificationとは、何のことでしょうか。
「本当です」と「償います」の2大条項から覚えます
Representations and Warranties(表明保証)は、契約を結ぶ時点の事実関係(財務内容・権利の帰属・法令順守など)が真実であることを表明し保証する条項。M&Aや取引開始の土台です。Indemnification(補償)は、契約違反や第三者からの請求で相手に損害が出たとき、その損害を補填する条項です。表明保証が破られたときの受け皿でもあります。
Limitation of Liability(責任制限)は、損害賠償の上限額や間接損害の除外を定める条項です。「保証する」と「償う」と「ただし上限まで」の3点でリスク配分の骨格ができます。
残り5条項は、天災・法律・喧嘩・秘密・別れ、です
Force Majeure(不可抗力)は、天災・戦争など当事者に制御できない事由による不履行を免責。Governing Law(準拠法)は、契約をどの国・地域の法で解釈するか。Dispute Resolution(紛争解決)は、裁判か仲裁か、どこの管轄か。Confidentiality(秘密保持・NDA)は、知り得た情報を漏らさない義務。Termination(契約解除)は、どんなときに契約を終わらせられるか。
覚え方は役割の順です。天災(Force Majeure)・法律(Governing Law)・喧嘩(Dispute Resolution)・秘密(Confidentiality)・別れ(Termination)。日本語契約の条項名と1対1で対応させれば、暗記は半分で済みます。
R&WとIndemnificationの役割の入れ替えが定番です
定番の誤り肢は2大条項の役割の入れ替えです。「Representations and Warrantiesとは、損害を補填する条項をいう」(誤り。それはIndemnification。R&Wは事実の表明保証)。「本当です」が先・「償います」が後、の時間順で固定してください。
「Force Majeureは当事者の過失による不履行も免責する」も誤り。不可抗力は制御できない外部事由に限られます。
海外展開する顧問先が英文契約を「読まずにサイン」するのが最も危ない。特にLimitation of Liability(自社に不利な上限か)とGoverning Law(相手国法+相手国裁判だと事実上争えない)は、金額と紛争コストに直結します。診断士の役割は条項の地図を渡して危険な箇所に付箋を貼ることです。契約の修正交渉・法的助言は渉外弁護士へつなぎます。
冒頭の問いに答えます。R&W=契約時点の事実の表明保証・Indemnification=損害の補償(表明保証違反の受け皿)・Limitation of Liability=賠償の上限です。これに不可抗力・準拠法・紛争解決・秘密保持・解除を加えた8条項が英文契約の骨格です。これで経営法務は36ユニットすべてが揃いました。