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経営法務 / 民法の骨格民法
民法の骨格 3/5 / 約5分

保証 — 連帯保証には「まず本人に」が通じません

保証人になった友人の元へ債権者が来ました。「まず本人に請求してください」——普通保証ならこの言い分が通ります。しかし契約書に「連帯」の2文字があったら、その瞬間から言い訳はすべて封じられます

普通・連帯・根保証の3タイプの違いと、2020年改正が個人の根保証に架けた極度額という安全弁が試験の的です。

この5分の問い

普通保証・連帯保証・根保証はどう違い、2020年改正で何が加わったのでしょうか。

直感でつかむ

普通保証の2つの抗弁が、連帯では消えます

普通保証には2つの盾があります——催告の抗弁(452条:まず主債務者に請求せよ)と検索の抗弁(453条:本人に資力があり執行が容易なことを証明すれば、まず本人の財産から執行せよ)。

連帯保証(454条)——この2つの抗弁がどちらも使えません。債権者はいきなり保証人に全額請求できる——だから実務の保証はほぼ連帯保証です。根保証——特定の1つの債務ではなく、継続的取引から生じる不特定の債務をまとめて保証する型(賃借や取引基本契約の保証が典型)です。

保証の合言葉普通=催告・検索の抗弁あり/連帯=両抗弁なし——個人の根保証は極度額を定めなければ無効(2020年改正)
厳密に見る

個人根保証の極度額——青天井を禁じた2020年改正です

根保証は放っておくと青天井——取引が膨らむほど保証人の負担も際限なく膨らみます。2020年施行の改正は、個人が根保証する場合に極度額(上限額)の定めを効力要件としました(465条の2)——極度額のない個人根保証契約は無効です。

あわせて、事業のための債務を保証してもらう主債務者には、財産状況等の情報提供義務が課されました——「知らずにハンコを押した保証人」を生まないための改正群です(法人が保証する場合には極度額規制は及びません——個人保護の制度です)。

結論が反転する分かれ目
普通保証
催告・検索の抗弁あり
「まず本人に」「まず本人の財産から」の2つの盾
連帯保証
両抗弁なし
いきなり保証人に全額請求できる——実務の主流
分かれ目 「連帯も抗弁あり」が最頻出の誤り。連帯の2文字が盾を消す、で固定します。
ここで間違える

「連帯保証人も催告の抗弁を主張できる」が定番です

最頻出の誤り肢は「連帯保証人は、まず主債務者に催告すべきことを請求できる」——誤り。催告・検索の抗弁は普通保証だけの盾で、連帯保証では両方使えません。「連帯=いきなり全額請求されうる」で固定してください。

極度額では「法人による根保証も極度額の定めがなければ無効」が誤り——極度額の効力要件は個人根保証に限られます。保護の対象は誰か、で切り分けます。

実務では

中小企業金融の歴史は経営者保証の歴史です——そして今は「経営者保証に依存しない融資」への転換期。金融機関との交渉で経営者保証ガイドラインを持ち出せるか、法人と個人の資産分離・財務情報の開示という解除の条件を整えられるか——保証の法律知識は、社長個人の人生設計に直結する診断領域です。個人根保証の極度額チェックは、賃貸借や取引基本契約の保証条項レビューでそのまま使えます。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。普通保証には催告・検索の抗弁があり、連帯保証では両方が消える(だから実務は連帯が主流)——根保証は不特定債務の保証で、2020年改正により個人根保証は極度額を定めなければ無効です。次は家族の中のお金の分け方——法定相続分へ。