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経営法務 / 会社のかたち会社
会社のかたち 2/5 / 約5分

種類株式 — オーナー権は9通りにカスタムできます

株式は「オーナー権を細かく分割した券」です——そして会社法は、この券の中身を9通りにカスタムすることを認めています。配当だけ厚い株、議決権のない株、1株で拒否権を持つ「黄金株」——。

そして中小企業のほぼ全部が使っているのが譲渡制限——「知らない人に勝手に株を売られたら困る」への備えです。9種類の中身と、取得請求権付↔取得条項付の向きが試験の的です。

この5分の問い

会社法が認める種類株式にはどんなものがあり、譲渡制限株式はなぜ中小企業に多いのでしょうか。

直感でつかむ

配当・議決権・取得・拒否——カスタムの軸で9種類です

種類株式(108条)の9種類——①剰余金の配当残余財産の分配(優先株・劣後株)③議決権制限譲渡制限取得請求権付株主が会社に「買い取って」と請求できる)⑥取得条項付(一定の事由が生じたら会社が取得できる)⑦全部取得条項付(総会決議で全部を取得)⑧拒否権付(黄金株——その種類株主総会の承認がないと決められない)⑨役員選解任権付

⑤と⑥はボタンを押す側が逆——株主が押すのが取得請求権付、会社が押すのが取得条項付です。

種類株式の合言葉9種類——取得請求権付=株主から/取得条項付=会社から・拒否権付=黄金株
厳密に見る

譲渡制限——中小企業の防波堤と承認機関

譲渡制限株式——譲渡による取得に会社の承認を要する株式です。中小企業で標準装備なのは、株が相続や売却で分散し、見知らぬ株主が経営に入り込むのを防ぐため——同族経営の防波堤です。

承認機関は取締役会設置会社なら取締役会、非設置会社なら株主総会(定款で別段の定めも可)。全株式に譲渡制限を付けた会社が非公開会社——次ユニットの機関設計で「公開会社か否か」の分岐そのものになります。

結論が反転する分かれ目
取得請求権付(⑤)
株主が「買い取って」と請求
ボタンは株主側。出資の出口を株主に保証する設計
取得条項付(⑥)
一定の事由で会社が取得
ボタンは会社側。役員退任時の強制回収などに使う
分かれ目 「条項付=株主が請求」の逆転が最頻出。請求=株主から・条項=会社から、で固定します。
ここで間違える

取得請求権付と取得条項付の向きの逆転が最頻出です

最頻出の誤り肢は⑤⑥の入れ替え——「取得条項付株式とは、株主が会社に取得を請求できる株式をいう」(誤り——それは取得請求権付。条項付は会社側が一定の事由で取得できる方)。「請求=株主から・条項=会社から」で固定してください。

「拒否権付株式(黄金株)は議決権を全く持たない株式である」も誤りの型——黄金株は特定の決議に対する拒否権を持つ強い株で、議決権制限株式とは別物です。

実務では

事業承継の設計は種類株式の実地演習です——後継者に普通株を集中させ、引退する先代には配当優先・無議決権の株を渡す(生活は守り、経営は渡す)。先代が最後まで持つ1株の黄金株は「暴走への保険」にも「新経営の足かせ」にもなる——強力な道具ほど出口(取得条項)まで設計して、税理士・司法書士と組んで詰めるのが型です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。種類株式は配当・残余財産・議決権制限・譲渡制限・取得請求権付(株主から)・取得条項付(会社から)・全部取得条項付・拒否権付(黄金株)・役員選解任権付の9種類——譲渡制限は見知らぬ株主の混入を防ぐ中小企業の防波堤で、承認機関は取締役会(設置会社)です。次は株数をいじる操作——分割と併合の損得原則へ。