shikakuホームへ
経営法務 / 会社のかたち会社
会社のかたち 1/5 / 約5分

会社設立 — 発起人だけで作るか、出資者を募るかです

会社を作る道は2本あります——言い出しっぺ(発起人)だけでお金を出して作る発起設立と、発起人以外からも出資者を募る募集設立。ほとんどの中小企業は前者です——シンプルで速いから。

そしてどちらの道でも最初に書くのが定款——「会社の憲法」です。絶対に書かねばならない5項目と、書くなら検査が要る事項——この仕分けが試験の的です。

この5分の問い

発起設立と募集設立はどう違い、定款には何を書かなければならないのでしょうか。

直感でつかむ

発起人だけなら発起設立、募るなら募集設立+創立総会です

発起設立——発起人が設立時発行株式の全部を引き受けます。関係者が発起人だけなので手続はシンプル。募集設立——発起人以外の出資者を募集します。見ず知らずの出資者を保護する必要があるため、創立総会(設立中の株主総会にあたる機関)の開催が必要になります。

定款は公証人の認証を受けて効力を生じます(30条)——会社の憲法には公的なお墨付きが要る、という設計です。

設立の合言葉発起設立=発起人が全部引受け/募集設立=出資者を募る+創立総会——定款は公証人の認証で効力
厳密に見る

絶対的記載事項5つと、検査役が来る変態設立事項

絶対的記載事項(27条)——欠けると定款自体が無効になる5項目:目的・商号・本店の所在地・設立に際して出資される財産の価額(またはその最低額)・発起人の氏名(名称)と住所

相対的記載事項のうち危険なグループが変態設立事項(28条)——現物出資(金銭以外での出資)・財産引受け発起人の報酬等設立費用。いずれも発起人のお手盛りで会社の財産が痩せる危険があるため、原則として裁判所選任の検査役の調査が必要です。

結論が反転する分かれ目
発起設立
発起人が全部を引き受ける
関係者が内輪だけ——手続はシンプル。中小企業の大半はこちら
募集設立
発起人以外の出資者を募る
外部出資者の保護のため創立総会が必要
分かれ目 「発起設立でも創立総会が必要」が定番の誤り。守るべき外部出資者がいるか、で判定します。
ここで間違える

絶対的記載事項への架空項目の混入が定番です

定番の誤り肢は絶対的記載事項のすり替え——「取締役の氏名」「事業年度」「資本金の額」を5項目に混ぜる肢です。正しい5つは目的・商号・本店所在地・出資財産の価額(最低額)・発起人の氏名住所——「誰が・何の会社を・どこで・いくらで」と趣旨で覚えます。

設立方式では「発起設立でも創立総会の開催が必要」が誤り——創立総会は募集設立だけ。守るべき外部出資者がいるかどうか、が分かれ目です。

実務では

創業支援で定款は「行政書士・司法書士に丸投げの紙」になりがちですが、目的欄は将来の事業の枠です——書いていない事業への進出は目的変更(定款変更=総会特別決議)を要する。「3年後にやりたい事業まで目的に入れておきましょう」の一言が、あとの手間を消します。現物出資(車や機械での出資)の相談には検査役調査の壁を必ず添える——安易に勧めない、が型です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。発起人だけの発起設立と、出資者を募り創立総会を要する募集設立——定款の絶対的記載事項は目的・商号・本店所在地・出資財産の価額・発起人の氏名住所の5つで、現物出資などの変態設立事項には原則検査役の調査が要ります。会社ができたら、次は株式の設計——種類株式へ。