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経営法務 / 資金と再編資金
資金と再編 5/5 / 約5分

持分会社 — 責任の重さで、合名・合資・合同に分かれます

会社の形は株式会社だけではありません——持分会社という、出資者(社員)どうしの信頼を土台にした軽い形が3つあります。分かれ目はただ1つ、社員の責任の重さです。

全員が無限責任の合名、無限と有限の混成合資、全員有限責任の合同(LLC)——外資系子会社やスタートアップで合同会社が選ばれる理由まで含めて固めます。

この5分の問い

合名会社・合資会社・合同会社は、社員の責任と使い勝手の点でどう違うのでしょうか。

直感でつかむ

無限のみ・混成・有限のみ——責任の3段階です

合名会社——無限責任社員のみ。会社の債務に社員が個人財産まで責任を負う、最も重い形。合資会社——無限責任社員と有限責任社員の混成。経営する無限責任社員と、出資だけの有限責任社員の組み合わせです。合同会社(LLC)——有限責任社員のみ。責任は株式会社並みに軽いのに、内部の設計は自由です。

持分会社に共通する武器が定款自治——利益の配分も意思決定も、定款でほぼ自由に設計できます(株式会社のような出資比率の縛りが緩い)。しかも定款に公証人の認証が不要——設立も安く速い。

持分会社の合言葉合名=無限のみ/合資=無限+有限/合同=有限のみ(LLC)——定款自治が自由で認証も不要
厳密に見る

合同会社の実像と、双方向の組織変更です

合同会社が選ばれる理由——有限責任+定款自治+設立コストの安さ。大手外資の日本法人や、少人数で始めるスタートアップの定番です。意思決定は社員の過半数(業務執行社員を定款で定めた場合はその過半数)——株主総会も取締役会も要りません。

組織変更(2条26号)は双方向です——持分会社から株式会社へも、株式会社から持分会社へも変更できます(会社法が両方向を明文で定義)。「小さく合同で始めて、成長したら株式会社へ」も、その逆も、制度上は開かれています。

結論が反転する分かれ目
株式会社
定款認証あり・機関設計の枠
対外信用と資金調達に強い。所有と経営の分離が前提
合同会社(LLC)
認証不要・定款自治が自由
有限責任のまま軽く始められる。組織変更で株式会社化も可能
分かれ目 「合同も認証必要」が定番の誤り。認証は株式会社だけ、持分会社3種は不要です。
ここで間違える

「合同会社も定款認証が必要」と、責任構成の入れ替えが定番です

定番の誤り肢は「合同会社の設立には、定款について公証人の認証を受けなければならない」——誤り。認証が要るのは株式会社で、持分会社(合名・合資・合同)は不要です。

責任構成の入れ替えも的——「合資会社は有限責任社員のみで構成される」(誤り——それは合同会社。合資は無限+有限の混成)。「合名・合資・合同」の順に責任が軽くなる階段で覚えます。

実務では

創業相談で「株式会社と合同会社どちらにすべきか」は定番の問いです——設立費用(認証不要・登録免許税も安い)と内部自治の自由さでは合同、対外的な信用や資金調達(株式・上場)では株式会社。後から組織変更できることまで伝えると、「まず合同で軽く始める」決断がしやすくなる——制度の地図を渡すのが診断士の仕事で、登記は司法書士へ。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。合名(無限のみ)・合資(無限+有限)・合同(有限のみ・LLC)は社員の責任の重さで分かれ、共通して定款自治が自由・公証人の認証も不要——組織変更は株式会社との間で双方向に可能です。これで会社法10本が完走——経営法務の残りは民法とその他の法律です。