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経営法務 / 知的財産の土台知的
知的財産の土台 1/5 / 約5分

特許 — 3つの要件と、1年・1年6月・3年の期限です

発明を法律が守るのは、まねされ放題なら誰も発明しなくなるからです。ただし永久に独占させると社会が損をする——だから要件で入口を絞り、期限で出口を区切ります。

試験が突くのはその数字——公開から1年、出願から1年6月、そして3年。1桁変えるひっかけに、条文の数値で反撃します(数値は法令基準日時点の条文で確認済みです)。

この5分の問い

特許権を得るには何を満たし、どんな期限を守る必要があるのでしょうか。

直感でつかむ

要件は3つ——使える・新しい・簡単でない、です

特許要件(特許法29条)は3つ——産業上利用可能性(産業で使える発明か)・新規性(出願前に公然と知られていないか)・進歩性(その道の専門家が容易に思いつく程度ではないか)。「新しい」だけでは足りず、「簡単に思いつかない」まで要るのが肝です。

うっかり発表してしまった発明にも救済があります——新規性喪失の例外(30条)。公開から1年以内に出願すれば新規性を失わなかったものと扱われます(例外の適用を受ける旨の証明書は出願日から30日以内に提出)。

特許要件の合言葉産業上利用可能性・新規性・進歩性の3要件——うっかり公開の救済は1年以内の出願
厳密に見る

手続の時間軸——1年6月で公開・3年で審査請求です

出願後の時間軸を並べます——出願から1年6月出願公開(64条。審査を待たずに中身が世に出ます)。出願から3年以内出願審査請求(48条の3)——これをしないと出願は取り下げたものとみなされます。請求できるのは出願人に限らず「何人も」——ここも肢になります。

存続期間は出願日から20年(67条)——登録日からではなく出願日起算です。公開→審査請求→登録→20年、の時間軸を1本の線で持ってください。

結論が反転する分かれ目
新規性
出願前に公然と知られていないか
同じものが世にないか。うっかり公開は1年以内の出願で救済(30条)
進歩性
容易に思いつく程度ではないか
新しくても、専門家が簡単に考えつくものは特許にならない
分かれ目 「新しければ特許になる」が誤りの型——新規性を満たしても進歩性で拒絶されます。
ここで間違える

「審査請求は5年以内」——数値と起算点の改変が定番です

定番の誤り肢は数値の改変——「審査請求は出願から5年以内(または2年)」「出願公開は1年(または2年)」。1年(新規性喪失例外)・1年6月(公開)・3年(審査請求)・20年(存続)の4点セットで固定してください。

起算点も的です——「特許権の存続期間は登録日から20年」は誤り(出願日から)。「審査請求ができるのは出願人のみ」も誤り(何人もできる)です。

実務では

中小企業の知財相談でいちばん多い事故は、展示会や自社サイトで先に公開してしまうことです。「もう発表しちゃったんだけど」——その日から1年の時計が回っています。診断士は代理出願はできませんが(弁理士の職域)、期限の時計に気づいて弁理士へつなぐのは診断士の仕事——「発表の前に、出願の相談を」の一言が数千万円の権利を守ります。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。要件は産業上利用可能性・新規性・進歩性の3つ、期限は公開から1年(新規性喪失の例外)・出願から1年6月(出願公開)・3年(審査請求——何人も可・徒過で取下げ擬制)・存続期間は出願日から20年です。権利が取れたら、次は他社に使わせる話——専用実施権と通常実施権へ。