意匠 — デザインは出願日から25年、建物と画面も守れます
デザインの価値は、もはや「モノの形」に収まりません——象徴的な建築の外観、店舗の内装、アプリの画面。2020年施行の意匠法改正は、保護の範囲をそこまで広げ、期間も延ばしました。
試験の的は3つ——広がった保護対象・出願日から25年という期間と起算点・そして少しアレンジしたデザインをまとめて守る関連意匠です。
2020年の意匠法改正で何が変わり、関連意匠制度はどう使うのでしょうか。
建築・内装・画面デザインまで「意匠」になりました
2020年施行の改正で、保護対象が物品のデザインから大きく広がりました——建築物の外観・内装、そして画像(GUI=画面デザイン)。ブランドの体験そのものをデザインで守れる時代の制度です。
登録要件は特許と似た3点——工業上利用可能性・新規性・創作非容易性(特許の「進歩性」に対応する、デザイン版の「容易に創作できないこと」)。
25年の起算点と関連意匠——改正で変わった2つの数字です
存続期間は意匠登録出願の日から25年(21条)。改正前は「登録日から20年」だったので、期間が延びただけでなく起算点も登録日→出願日に変わりました——特許(出願日から20年)・実用新案(出願日から10年)と起算点が揃った、と覚えるときれいです。
関連意匠(10条)——本意匠(基礎意匠)に似せたバリエーションデザインを、まとめて登録できる制度です。改正で出願できる期間が基礎意匠の出願日から10年以内に大きく延びました(改正前は本意匠の公報発行前まで)——市場の反応を見ながらデザイン展開を追加登録できる、実務価値の高い変更です。
「登録日から25年」——改正前の起算点で釣る肢が定番です
定番の誤り肢は「意匠権の存続期間は設定登録の日から25年」——誤り。改正後は出願日から25年で、起算点まで変わった点が狙われます(「登録日から20年」という改正前の丸ごと出題もあります)。
数字の入れ替えでは「特許25年・意匠20年」のたすき掛け——特許20年・意匠25年・実用新案10年、すべて出願日起算の3点セットで固定してください。
2020年改正は中小企業にこそ追い風です——こだわりの店舗内装、独自のアプリ画面は、それ自体が登録できる資産になりました。「デザインの真似には泣き寝入り」だった飲食・小売・ソフトウェアの分野で、意匠登録という選択肢を提示できるかどうか。模倣被害の相談を受けたら、不正競争防止法(後のユニット)と意匠の両にらみで弁理士へつなぐのが型です。
冒頭の問いに答えます。2020年施行の改正で建築物の外観・内装・画像(GUI)まで保護対象になり、存続期間は出願日から25年(起算点も登録日→出願日に変更)、関連意匠は基礎意匠の出願日から10年以内まで追加出願できます。知財の土台5本はここまで——次は商標・著作権・不正競争防止法の弁別編です。