訓練・宛先と機関 — 「誰に出すか」「誰がやるか」を混ぜない
「誰に出すか」「誰がやるか」は、数字より地味な分、干渉に気づきにくいゾーンです。審査請求の宛先、直接請求の宛先、被告の宛名、そして審理員・行政不服審査会・審査庁の役割分担。名前だけ並べると混ざりますが、幸いどれも機能から導けます。
宛先と役割は、名前の暗記なしでどこまで導けるでしょうか。
「頼み事は、それを実行できる人へ」が万能の錨です
条例を作れるのは議会なので、条例の請求は議会を招集できる長へ。監査の専門機関は監査委員。解散・解職の後には住民投票が控えるので、投票を仕切る選挙管理委員会へ。訴訟の賠償金を払えるのは法人格のある国・公共団体。全部、実行できる人に宛てています。
例外と三者分担だけ、正面から覚えます
導出でカバーできない例外は2つだけです。第一に、主要公務員の解職請求(86条)は選管でなく長へ——この後に来るのが住民投票ではなく議会の付議だからです(機能から見れば、これも導出できます)。第二に、審査請求の原則の宛先は「直近上級」ではなく最上級行政庁です(行審法4条4号)。
三者分担は動詞で分けます。審理員が審理を主宰して意見書を出す。行政不服審査会が諮問を受けて答申する。裁決という最終判断だけが審査庁の仕事です。意見書にも答申にも法的拘束力はありません。
「格の一段ずれ」が、宛先の定番加工です
被告は「処分をした行政庁」ではなく、その所属する国・公共団体(行訴法11条1項)。審査請求は「直近上級」ではなく最上級。どちらも一段だけずらした肢が出ます。宛先の肢を読むときは、名前の見覚えではなく「一段ずれていないか」を検査してください。
宛先の間違いは、実務では書類の突き返しか、最悪の場合は期限徒過に直結します。処分通知書の教示欄と条文で宛先を二重確認する癖は、この訓練の延長線上にあります。
錨は「実行できる人へ」、例外は主要公務員の解職(長へ)と最上級行政庁の2つ、三者は審理・答申・裁決の動詞で。ドリルで宛先の反射を作ってください。