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企業経営理論 / リーダーシップと変革リー
リーダーシップと変革 3/4 / 約5分

レヴィン — 溶かさずに変えると、元に戻ります

氷の形を変えたいとき、いきなり押しつぶす人はいません。まず溶かし、水にして新しい型に入れ、もう一度凍らせる——この3手順を踏まないと、形は変わらないか、割れるかです。

組織も同じだ、というのがレヴィンの3段階変革モデルです。「なぜ改革はいつの間にか元に戻るのか」——答えは、溶かしていないか、凍らせ直していないかのどちらかにあります。

この5分の問い

組織を変えるとき、いきなり変え始めるとなぜ元に戻ってしまうのでしょうか。

直感でつかむ

解凍→変化→再凍結——前後の工程を飛ばすから戻るのです

解凍(Unfreezing)——現状のやり方では立ち行かないことを認識させ、変わる準備をつくる。変化(Changing)——新しいやり方を導入し、学習させる。再凍結(Refreezing)——新しいやり方を制度や習慣に組み込み、定着させる。

失敗の型は2つ。解凍を飛ばすと「なぜ変えるのか」が腹落ちせず抵抗される。再凍結を怠ると、研修直後だけ変わって数か月で元通り——変化そのものより、前後の工程が変革の成否を決めます。

レヴィンの合言葉解凍→変化→再凍結——溶かさずに変えれば抵抗され、凍らせ直さなければ元に戻る
厳密に見る

力場分析——推進力を足すか、抵抗力を減らすか

レヴィンのもう1つの道具が力場分析です。組織の現状は、変化を促す推進力と変化を妨げる抵抗力の釣り合いとして保たれている——だから変革には、推進力を強めるだけでなく抵抗力を弱める手(不安の解消・教育・参加)が有効で、しばしばこちらの方が副作用が少ないとされます。

コッターの8段階モデルとの対応も問われます——8段階は3段階の詳細版と整理でき、おおむね危機感〜ビジョン浸透までが解凍、エンパワーメント〜短期的成果が変化、定着〜文化が再凍結に対応します。

結論が反転する分かれ目
推進力を強める
号令・インセンティブ・危機感
効くが、強めるほど反発(抵抗力)も強まりやすい
抵抗力を弱める
不安の解消・教育・参加
変化を妨げる力を取り除く。副作用が少ないとされる側
分かれ目 「変革=推進力を足すこと」と思い込ませる肢に注意——抵抗力を減らす選択肢が正解の向きになりやすい。
ここで間違える

順序の入れ替えと、提唱者の付け替えが定番です

定番の誤り肢は順序の入れ替え——「変化→解凍→再凍結」のような並びです。氷の比喩で覚えていれば即座に切れます(溶かす前に型に入れられない)。

提唱者では「コッターの3段階変革モデル」「レヴィンの8段階」という付け替えが出ます——3段階のレヴィン・8段階のコッターで固定してください。

実務では

業務システムの入れ替え支援は、レヴィンの3段階そのものです。導入(変化)ばかりに予算と関心が集まりますが、事故が起きるのは前後——現場が必要性を腹落ちしていない(解凍不足)まま稼働日を迎え、稼働後のフォローがなく旧手順に戻る(再凍結不足)。提案書の工程表に「解凍」と「再凍結」の行があるかどうかで、定着率は目に見えて変わります。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。変革が元に戻るのは、解凍(変わる準備)を飛ばして抵抗を生むか、再凍結(定着)を怠って習慣に戻るから——解凍→変化→再凍結の3工程と、抵抗力を減らす力場分析がレヴィンの答えです。この3段階を8つに展開した実践版——コッターの変革8段階へ進みます。