信頼性計算 — 直列は掛けて下がり、並列は冗長で上がる
サーバーとデータベース、どちらか一方でも落ちればサービス全体が止まる——これが直列のつなぎ方です。逆に、同じサーバーを2台並べておけば、両方同時に壊れない限り動き続けます——これが並列(冗長化)。
この2つの稼働率の計算は、経営情報システムで毎年のように出る計算問題です。式は2本だけ——確実に取りに行きます。
直列システムと並列システムの稼働率は、それぞれどう計算するのでしょうか。
直列は「両方動く確率」、並列は「両方壊れる確率の裏返し」です
直列は1つでも壊れたら全体が止まる——全体が動くのは全部が同時に動いているときだけなので、稼働率は掛け算:R=R1×R2。0.9×0.8=0.72——つなぐほど下がります。
並列は両方壊れない限り動く——止まるのは全部が同時に壊れたときだけ。そこで「全部壊れる確率」を1から引きます:R=1−(1−R1)(1−R2)。1−(0.1×0.2)=0.98——並べるほど上がります。これが冗長化の効果です。
組み合わせ構成と、稼働率のもう1つの顔(MTBF/MTTR)です
本試験は直列と並列の組み合わせで出します——解き方は「並列部分を先に1つの箱にまとめ、あとは直列の掛け算」。例:装置A(0.9)の後ろに装置B(0.8)が2台並列なら、並列部分=1−0.2×0.2=0.96、全体=0.9×0.96=0.864です。
稼働率そのものの定義も出ます——MTBF(平均故障間隔=壊れず動き続ける時間の平均)とMTTR(平均修復時間)を使い、稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)。「動いている時間の割合」という意味そのままの式です。MTBFが180時間・MTTRが20時間なら180/200=0.9。
直列と並列の式の入れ替えと、並列の計算ミスが定番です
定番の誤り肢は式の入れ替え——「並列システムの稼働率はR1×R2で求める」(それは直列。並列は1−(1−R1)(1−R2))。掛け算した値が元より下がっていたら直列、上がっていたら並列——検算にも使えます。
並列の計算では(1−R)を掛け忘れて1−R1×R2としてしまうミスが多発します——「壊れる確率どうしを掛ける」が正しい手順です。MTBFとMTTRは分母が「MTBF+MTTR」(全時間)であることを崩さないでください。
顧問先のIT投資判断で、この式は「冗長化にいくら払う価値があるか」の説明道具になります——稼働率0.9のサーバー1台を2台にすると0.99、つまり年間の止まる時間が876時間から約88時間に減る(8,760時間×0.1と×0.01)。売上機会の損失と2台目の費用を並べれば、感覚論だった「安心のための投資」が数字の話になります。バックアップ回線の提案も同じ算数です。
冒頭の問いに答えます。直列は全部動いてこそなのでR1×R2(掛けて下がる)、並列は全部壊れたときだけ止まるので1−(1−R1)(1−R2)(冗長化で上がる)——組み合わせ構成は並列を先に1つの箱にまとめてから直列の掛け算です(稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)も同じ回で出ます)。次は、この科目最後の穴埋め——素材に無かった統計の基礎へ。