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経営情報システム / データベースと開発デー
データベースと開発 3/5 / 約5分

開発モデル — 家を建てるか、試食を重ねるか

家を建てるとき、基礎を打った後で「やっぱり間取りを変えたい」は大事故です——だから設計を固めてから一方向に進む。一方、新メニューの開発なら試食を繰り返して味を調整する方が確実です——完成形が最初は誰にも分からないから。

システム開発の2大モデルは、ちょうどこの対比です。どちらが優れているかではなく、仕事の性質に合うのはどちらかが問われます。

この5分の問い

ウォーターフォールとアジャイル(スクラム)は、それぞれどんな進め方と役割分担をするのでしょうか。

直感でつかむ

一方向に固めて進むか、短い周期で回すかです

ウォーターフォールは要件定義→システム設計→プログラム設計→実装→テスト→運用保守と、上流から下流へ一方向に進みます。長所は計画と分担が明確なこと、短所は手戻りが困難なこと——滝は逆流しません。

アジャイルの代表スクラムは、スプリント(1〜4週間の固定周期)で「動くもの」を作っては見せるのを繰り返します。要求はプロダクトバックログに優先順位付きで積み、スプリントごとにスプリントバックログへ取り出す。毎日のデイリースクラム、成果を確かめるスプリントレビュー、進め方をふりかえるレトロスペクティブで回します。

開発の合言葉ウォーターフォール=一方向・手戻り困難スクラム=スプリントの反復——PO=何を作るか・SM=どう進むかの支援
厳密に見る

スクラムの3つの役割——決める人・支える人・作る人です

スクラムの役割は3つで固定です。プロダクトオーナー(PO)何を作るかを決める——バックログの内容と優先順位に責任を持つ。スクラムマスター(SM)チームがうまく回るよう支援する——障害を取り除き、スクラムの進め方を守る(指示命令する管理職ではない)。開発チーム=実際に作る。この3者の職務の入れ替えが試験の的です。

周辺語も1セットで——DevOps=開発(Dev)と運用(Ops)が一体で回る体制、CI/CD=継続的インテグレーション/継続的デリバリー(変更を自動でテスト・配備し、小さく頻繁に出す)。アジャイルの思想をリリース工程まで延長した道具立てです。

結論が反転する分かれ目
PO
何を作るかを決める
バックログの内容と優先順位に責任
SM
どう進むかを支援する
障害を除去しプロセスを守る——指示する管理職ではない
分かれ目 「決める人」と「支える人」。優先順位の決定権のすり替えがほぼ毎回の的です。
ここで間違える

POとSMの職務の入れ替えが、ほぼ毎回の的です

定番の誤り肢は「スクラムマスターがバックログの優先順位を決める」——優先順位はプロダクトオーナーの専権です。逆に「POがチームの障害を取り除きプロセスを支援する」もSMの職務とのすり替え。決める人(PO)・支える人(SM)・作る人(チーム)で固定してください。

「アジャイルでは計画を立てない」も誤り——スプリントごとに計画し、短い周期で計画し直すのがアジャイルです。「ウォーターフォールは各工程を並行して進める」も逆——一方向・直列が特徴です。

実務では

顧問先がシステムを外注するとき、モデル選びは契約の形まで決めます——要件が固まっている基幹系の刷新はウォーターフォール+請負契約(完成責任)が素直で、要件が動く新サービスはアジャイル+準委任契約(伴走型)が馴染む。「アジャイルでお願いしたのに完成保証がない」というトラブルは、この対応を知らないまま契約した典型例——診断士が入口で防げる事故です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この5分のまとめ

冒頭の問いに答えます。ウォーターフォールは要件定義から運用保守まで一方向に進み、計画は明確だが手戻りが困難。スクラムはスプリント(1〜4週間)で反復し、PO=何を作るかを決める・SM=進め方を支援する・開発チーム=作る、の3役で回します(DevOps・CI/CDはその延長)。次は、作ったものをどう確かめるか——テストへ。