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経営情報システム / 情報の土台
情報の土台 4/5 / 読む4分+確認4問

IPアドレス — 43億個の住所は、もう足りません

事務所のプリンタ設定で見る「192.168.1.10」のような数字——あれがIPアドレス、ネットワーク上の住所です。

この住所、世界中で約43億個しかありません。地球の人口より少ない住所を、スマホ・PC・家電が奪い合えば、枯渇して当然です。「どうやってしのいでいるか」と「根本解決は何か」の2段構えで押さえます。

この回の問い

IPv4はなぜ枯渇し、プライベートIPとIPv6はそれをどう解決するのでしょうか。

直感でつかむ

しのぎ方は「家庭内だけの住所」を作ることでした

IPv432ビット、2の32乗=約43億個が上限です(「192.168.1.10」のようにドットで4区切り)。そこで考え出されたのがプライベートIPアドレス、組織や家庭の中だけで通用する住所です。内側では自由に使い、インターネットに出るときだけルータがグローバルIPに変換(NAT。1つのグローバルIPを複数端末で共有する方式がNAPT)します。だから隣の会社と自社のプリンタが同じ「192.168.1.10」でも衝突しません。

住所の合言葉IPv4=32ビット・約43億で枯渇。私設の住所(プライベートIP)+変換(NAT)でしのぎ、IPv6=128ビットで解決
厳密に見る

プライベートIPの3範囲とCIDRの読み方が数字の的です

プライベートIPアドレスは3範囲、10.0.0.0/8172.16.0.0/12192.168.0.0/16です。「/」以下はCIDR表記で、先頭から何ビットがネットワーク部かを示します。/24ならネットワーク部24ビット・ホスト部8ビット(サブネットマスク255.255.255.0)。接続できるホストは2の8乗からネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つを除いた254台です(かつての固定長のクラスA/B/C分類を、可変長にしたのがCIDR)。

根本解決がIPv6です。128ビット(16進数をコロンで8区切り)で、アドレス数は事実上無尽蔵。端末にグローバルなアドレスを潤沢に割り当てられるため、NATによる変換は原則不要になります。

結論が反転する分かれ目
IPv4
32ビット。約43億個
ドット4区切り。枯渇→プライベートIP+NATでしのぐ
IPv6
128ビット。事実上無尽蔵
16進コロン8区切り。NATは原則不要
分かれ目 ビット数(32/128)の入れ替えが定番。「IPv6でもNAT必須」は誤りです。
ここで間違える

ビット数の入れ替えと、プライベートIP範囲の数字ズラしが定番です

定番の誤り肢はビット数の入れ替えです。「IPv6は64ビット」(正しくは128ビット)・「IPv4は128ビット」(32ビット)。32→43億、128→無尽蔵、の対で固定してください。

プライベートIP範囲の数字ズラしも的です。「192.168.0.0/24」「172.16.0.0/8」のようにプレフィックス長をずらした肢が出ます(正=10が/8・172.16が/12・192.168が/16)。また「プライベートIPはそのままインターネットで通用する」は誤り——外に出るにはNATの変換が必要です。「IPv6でもNATが必須」も誤りです。枯渇が解消するので原則不要です。

実務では

「社内の新しいPCだけプリンタにつながらない」という顧問先のよくある相談は、プライベートIPのセグメント違い(192.168.1.x と 192.168.2.x)が原因のことがあります。ネットワーク図に「どの機器がどの範囲の住所か」を書き出すだけで、ベンダーに頼む前に切り分けられます。診断士がIT担当のいない会社に置いていける、実用的な一枚です。

確かめる — 予想してから答え合わせ
この回のまとめ

冒頭の問いに答えます。IPv4は32ビット・約43億個しかないため枯渇し、内側だけで通用するプライベートIP(10/8・172.16/12・192.168/16)+NAT変換でしのぎ、128ビットのIPv6が根本解決です(/24=ホスト部8ビット・接続254台)。次は、この住所の上に建てる「借り物のインフラ」、クラウドの3モデルへ。