選挙制度 — 衆議院と参議院は、名簿の作り方から違います
衆議院選挙では、小選挙区用と比例代表用の投票用紙を2枚渡されます。参議院選挙の比例代表では、候補者個人名でも政党名でも、どちらも有効票です。同じ「比例代表」なのに、書き方のルールはなぜ違うのでしょうか。
衆議院と参議院、比例代表の名簿の作り方は何がどう違うのでしょうか。
衆議院は「順位固定の名簿」、参議院は「個人名も有効な名簿」です
衆議院の比例代表は拘束名簿式——政党があらかじめ当選順位を決めた名簿を提出し、有権者は政党名だけで投票します。個人は選べません。一方、参議院の比例代表は非拘束名簿式——名簿に順位はなく、個人名でも政党名でも投票でき、個人名の得票が多い候補から当選します。
選出方法・任期・改選を制度ごとに押さえます
衆議院議員は小選挙区比例代表並立制で選ばれます。小選挙区は1選挙区から最多得票者1名を選出する方式で289議席、比例代表は全国11ブロックの拘束名簿式で176議席です(議席数は制度時点の定めであり、改正で変動します)。任期4年ですが、衆議院には解散があり、満了前に選挙が行われることもあります。
参議院議員は、都道府県単位の選挙区(148議席)と全国単位の比例代表(非拘束名簿式・100議席)で選ばれ、3年ごとに半数が改選されます(議席数は制度時点の定めであり、改正で変動します)。任期6年、衆議院と異なり解散はありません。
選挙の基本原則は、普通選挙(財産・性別等による制限なし)・平等選挙(一人一票)・直接選挙(有権者が直接選ぶ)・秘密選挙(無記名投票)・自由選挙(棄権の自由)の5つです。選挙権は18歳以上(2016年の法改正で20歳から引き下げ)、被選挙権は衆議院議員・市区町村長が25歳以上、参議院議員・都道府県知事が30歳以上です(被選挙権年齢は制度時点の定めであり、改正で変動します)。
「衆院は非拘束、参院は拘束」という取り違えが最頻出です
第一に、名簿方式の逆転——「衆議院の比例代表は非拘束名簿式で、候補者個人名を書いて投票する」は誤りです。衆議院の比例代表は拘束名簿式で、政党名のみが有効。個人名は参議院の比例代表だけです。
第二に、解散の有無の混同——「参議院にも衆議院と同様に解散がある」は誤りです。解散は衆議院のみ、参議院にはありません。
第三に、被選挙権年齢の一律化です。「衆議院と参議院の被選挙権年齢はどちらも25歳以上である」は誤りで、参議院議員・都道府県知事の被選挙権は30歳以上です。
行政書士が候補者の選挙運動を代理する場面はありませんが、政治団体の設立届出書類の作成など、政治資金規正法関連の書類作成で選挙・政治活動と接点を持ちます。制度の骨格(どの選挙がどの方式か)を正確に理解していれば、こうした周辺業務の前提知識になります。基礎知識等は独立の基準点を持つ足切り科目であり、本ユニットも深追いせず骨格だけを取る戦略(gyosei/kiso/kisochishiki/ashikiri-senryaku)の一部です。
衆議院の比例代表は拘束名簿式(政党名のみ・順位固定)、参議院の比例代表は非拘束名簿式(個人名も有効)です。解散も衆議院だけです。次は、統治を支える財政と社会保障の骨格を見ます。