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この章は3つの論点ユニット(Wave 8)に生まれ変わりました。短く区切って学べて、ドリル・索引とつながっています。 新しい「親族法・相続法」をはじめる →

この旧版は当面そのまま読めます。

行政書士 / 民法 ・ 親族法・相続法相続
民法の柱 ④

親族法・相続法 — 家族と財産をつなぐルール

婚姻・親子・相続——人が生まれ、家族をつくり、財産を残す。2018年・2019年・2024年の三連改正が試験を激変させた。配偶者居住権・遺留分の金銭化・嫡出否認の拡大を、改正前後の差分で鋭く押さえる章。

法令基準日:2026-04-01 現在施行の法令(令和8年度想定) / 頻出度:A(記述式でも出題) / 主たる根拠:民法725条〜1050条

この章の問い

夫が死亡した。妻と子2人が残された。誰が何の割合で相続するのか? 妻は今の家に住み続けられるか? 夫が「財産は全部友人に」と遺言していたら妻は何も受け取れないのか? 遺留分の請求はどうやってする?

なぜ行政書士試験で問われるのか

行政書士は遺言書作成・相続手続・遺産分割協議書の作成・相続放棄申述の補助といった業務を中核とする国家資格。「誰が相続人か」「法定相続分はいくらか」「遺言が有効かどうか」「遺留分はどれだけ認められるか」は、依頼者から最も頻繁に受ける質問群である。2018年改正(配偶者居住権・遺留分金銭化・特別の寄与)、2024年改正(再婚禁止廃止・嫡出否認拡大)は施行されたばかりであり、旧法知識との混同が試験に頻出する。また、遺言書の方式(自筆証書・公正証書・秘密証書)は行政書士が遺言作成を支援する際に必ず押さえなければならない実務的知識。相続欠格と廃除の区別(自動失権か審判か)も、相続手続の現場で問題になる重要論点である。

全体像

親族法と相続法の二本柱

民法の第4編・第5編が本章の対象。親族法(725〜881条)は婚姻・親子・親権のルール。相続法(882〜1050条)は死後の財産承継のルール。行政書士試験では相続法が最頻出だが、2018年・2019年・2024年の改正が続き、新旧どちらの知識が問われるか注意が必要。

親族法(第4編)

婚姻・離婚・親子・親権・扶養が対象。婚姻適齢の男女18歳統一は2022年4月1日施行(平成30年法律第59号)、嫡出否認の拡大・再婚禁止期間の廃止は2024年4月1日施行(令和4年法律第102号)——別々の2つの改正法である点に注意。

相続法(第5編)

相続人と相続分・遺言・遺留分・配偶者居住権が対象。2018年改正が最重要。

親子法制改正(令和4年法律第102号・公布2022年12月/施行2024年4月1日)★超重要

①再婚禁止期間(733条)が完全廃止。旧法では女性に100日の再婚禁止期間があったが、この改正(2024年4月1日施行)で条文ごと削除された。「現行法では再婚禁止期間は何日か」→ 規定なし(廃止)

②嫡出否認の権者が父のみ→父・母・子に拡大(774〜778条の3)。否認期間も1年→3年に延長。

紛らわしい2法の区別:婚姻適齢の男女18歳統一は別の法律(平成30年法律第59号・成年年齢の18歳引下げと一体・2022年4月1日施行)。本アセットの再婚禁止廃止・嫡出否認拡大は令和4年法律第102号・2024年4月1日施行。「2022」と「2024」を取り違えさせる肢に注意。

親族法

婚姻・親子・親権の基礎

婚姻

婚姻適齢(731条)

男女とも18歳平成30年法律第59号・2022年4月1日施行で統一。旧法は男18歳・女16歳)。成年年齢の18歳引下げと一体の改正で、再婚禁止期間の廃止(令和4年法律第102号・2024年施行)とは別の法律

民法4条:成年年齢も18歳(同じく2022年4月1日施行)。「婚姻適齢=2022年」「再婚禁止廃止・嫡出否認=2024年」を区別。

再婚禁止期間2024年廃止

旧733条は女性に再婚禁止期間を定めていたが、令和4年法律第102号(公布2022年12月・施行2024年4月1日)で条文ごと削除。現行法には再婚禁止期間の規定はない。沿革:原始規定=6か月 → 平成28年改正=100日 → 令和4年改正法で廃止(2024年施行)。

夫婦同氏(750条)と合憲判決

「夫婦はどちらかの氏を称する」。この規定の合憲性が2度争われ、最高裁はいずれも合憲と判断。

  • 最大判平27.12.16(2015年):夫婦同氏強制は憲法に違反しない。
  • 最大決令3.6.23(2021年):再び合憲と確認(11対4)。

有責配偶者からの離婚請求(770条)

不貞行為等の「有責配偶者」からの離婚請求は原則認められないが、最大判昭62.9.2は①別居期間の長期 ②未成熟の子なし ③相手方が過酷な状態に置かれないことを満たせば認容可と判示。例外的認容の判例として頻出。

親子

嫡出推定(772条)

婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定(嫡出推定)。2024年施行の改正後は、婚姻成立の日以後に生まれた子(改正前は「200日後」)、または婚姻解消・取消後300日以内に生まれた子にも嫡出推定が及ぶ。

嫡出否認(774〜778条の3)2024年施行

嫡出推定を覆すには嫡出否認の訴えが必要。令和4年法律第102号(2024年4月1日施行)で大幅刷新:

  • 否認権者:父のみ → 父・母・子に拡大(旧法は父のみ)
  • 否認期間:1年 → 3年に延長(子は出生を知った時から3年)
  • 子自身が否認権を持つ点が最大の改正ポイント。

学習優先度:低〜中|親族法は財産法との融合で問われることが多く、単独の出題頻度は低め(yobi-minpo-resources.md調べ)。要点(承諾・遡及・訴えの期間)だけ押さえ、細部は1分で切り上げる

認知(779条〜789条)— 非嫡出子と父の親子関係

母子関係は分娩の事実によって当然に生じるが、婚姻外で生まれた子(非嫡出子)と父との法律上の親子関係は認知によって生じる。

  • 任意認知(779条):父が戸籍法上の届出(781条1項)または遺言(781条2項)によって認知する。
  • 承諾が必要な場合:成年の子を認知するには子の承諾(782条)、胎児を認知するには母の承諾(783条1項)が必要。
  • 強制認知(認知の訴え・787条):子・その直系卑属・これらの法定代理人は認知の訴えを提起できる。ただし父の死亡の日から3年を過ぎると提起できない。
  • 効力の遡及(784条):認知は子の出生時にさかのぼって効力を生じる。
  • 取消しの禁止(785条):認知をした父は、その認知を取り消すことができない。
  • 準正(789条):認知された子は父母の婚姻により嫡出子の身分を取得する(婚姻準正・認知準正)。

母子関係=分娩で当然発生/父子関係(非嫡出)=認知が必要、の対比が出発点。「認知は取り消せる」「胎児認知に母の承諾は不要」は誤りの典型。

特別養子縁組(817条の2〜)2019年改正

養子となる子の年齢上限を6歳未満 → 15歳未満に緩和(2019年施行)。実親との親族関係を断絶する強力な縁組制度。普通養子縁組との区別が頻出。

普通養子縁組

実親との親族関係が残る。年齢制限なし(自己より年長は不可)。

特別養子縁組

実親との親族関係を断絶。15歳未満に限定。家庭裁判所の審判が必要。

親権

共同親権(818条)と利益相反行為(826条)

父母が婚姻中は共同して親権を行使。離婚後は一方が単独行使(離婚届に定めが必要)。

親権者が子との間で利益が相反する行為(例:子の財産を親が購入する等)をするには、家庭裁判所が選任した特別代理人が子を代理する(826条)。

相続法の核心

相続人と法定相続分

合格者の直感配偶者は常に相続人。血族は①子→②直系尊属→③兄弟姉妹の順。配偶者の分は「1/2・2/3・3/4」と上がる。

法定相続分(900条)

相続人の組合せ配偶者その他
配偶者+子1/2子 1/2(子が複数なら等分)
配偶者+直系尊属2/3直系尊属 1/3
配偶者+兄弟姉妹3/4兄弟姉妹 1/4
配偶者のみ全部
非嫡出子の相続分差別は違憲(最大決平25.9.4)

旧民法900条4号は非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1と定めていた。最大決平25.9.4(2013年)がこれを違憲と宣言。現行法では嫡出子・非嫡出子の相続分は同等

代襲相続(887条・889条)

子の系列

子→孫→ひ孫と無限に再代襲(887条3項の準用)。相続開始前に子が死亡等した場合に孫以下が代わりに相続。

兄弟姉妹の系列

甥・姪まで1代限り(889条2項は887条3項を準用しない)。甥姪の子は代襲しない。

相続欠格(891条)

相続欠格の5事由(891条)

一定の非行をした者は当然に相続権を失う(欠格事由に該当した時点で自動的に失権。裁判所への申請不要)。

  • 故意に被相続人または相続について先順位・同順位にある者を死亡させ、または死亡させようとしたために刑に処せられた者(1号)
  • 被相続人の殺害を知って告発・告訴しなかった者(2号。ただし未成年者・殺害者の配偶者は除く)
  • 詐欺・強迫によって被相続人が遺言を作成・取消し・変更することを妨げた者(3号)
  • 詐欺・強迫によって被相続人に遺言を作成・取消し・変更させた者(4号)
  • 遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者(5号)

「欠格」は法律上当然の失権で裁判不要。「廃除」は被相続人の意思+家庭裁判所の審判が必要。この違いが頻出。また欠格者の子は代襲相続できる(887条2項)。

推定相続人の廃除(892〜895条)

廃除の要件と手続(892〜895条)

被相続人が推定相続人の相続権を剥奪させる制度。欠格と異なり、被相続人の意思表示+家庭裁判所の審判が必要。

廃除の要件(892条)

①被相続人への虐待、②被相続人への重大な侮辱、③その他の著しい非行のいずれかがあること。

手続き

被相続人が生前に家庭裁判所に請求(892条)、または遺言による廃除(893条)も可能。遺言廃除の場合、遺言執行者が家庭裁判所に請求する。

  • 廃除できる対象:遺留分を有する推定相続人(配偶者・子・直系尊属)のみ。兄弟姉妹は廃除の対象外(遺留分がないため廃除でなく遺言で排除できる)
  • 廃除の取消し(894条):被相続人はいつでも廃除を取り消せる。
  • 廃除された者の子は代襲相続できる(887条2項参照)。

廃除は「被相続人が推定相続人に嫌がらせをされた→剥奪したい」場面。欠格との区別(欠格=自動失権、廃除=申請+審判)が最頻出の対比ポイント。

相続の選択

承認・放棄の使い分け

相続の三択(915条〜)

選択肢内容手続き注意点
単純承認プラス・マイナスすべて承継熟慮期間経過で自動的に熟慮期間内に放棄・限定承認しなければ単純承認
相続放棄(938条)相続を全て放棄各自単独で家庭裁判所に申述最初から相続人でなかったとみなされる(939条)
限定承認(923条)プラスの範囲内で弁済相続人全員共同で家庭裁判所に申述1人でも反対すると不可

熟慮期間は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月(915条)。

相続放棄と第三者対抗(最判昭42.1.20)

相続放棄した者は登記なくして第三者に対抗できる。相続放棄は絶対的効果(最初から相続人でなかったとみなされる)であり、登記制度の問題が生じないため。「放棄には登記が必要か」→ 不要

遺言方式

遺言の三方式と2018年改正

遺言の最頻出テーマ自筆証書=全文自書(財産目録のみPC可)。公正証書=証人2人・検認不要。秘密証書=自書不要・封印必須。

三方式の要件比較

方式自書証人公証人検認根拠
自筆証書遺言全文必要(財産目録のみPC可・各頁署名押印要)不要不要必要968条
公正証書遺言不要(口授)2人以上必要不要969条
秘密証書遺言不要(ワープロ可)2人以上必要必要970条
2018年改正(968条2項)— 財産目録のPC作成

自筆証書遺言の本文は引き続き全文自書が必要。ただし2018年改正で財産目録のみパソコン等での作成が可能になった。この場合、財産目録の各ページに署名・押印が必要。「財産目録はワープロで作れるが、各ページの署名押印がなければ無効」。

遺言の限界

遺留分と2018年改正

遺言の自由は尊重されるが、一定の相続人には最低限の取り分(遺留分)が保障される。2018年改正で遺留分の権利の性質が根本から変わった

遺留分の割合(1042条)

  • 直系尊属のみが相続人:遺留分は相続財産の1/3
  • それ以外(子・配偶者等を含む場合):遺留分は相続財産の1/2
  • 兄弟姉妹には遺留分なし(1042条1項柱書)

遺留分侵害額請求権(1046条)2018年改正

旧法の「遺留分減殺請求権」は形成権(行使で物権変動が生じる)だった。2018年改正で金銭の支払を求める債権的請求権に変更。現物返還は求められない。

消滅時効(1048条):遺留分侵害を知った時から1年(一般時効の5年と混同注意)。相続開始の時から10年でも消滅。

2018年新設制度

配偶者居住権・特別の寄与

配偶者居住権(1028〜1036条)2018年新設

被相続人の配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合、終身(存続期間の定めがある場合はその期間)その建物を無償で使用収益する権利。遺産分割または遺贈によって取得できる。

  • 登記することで第三者に対抗できる(1031条)
  • 配偶者は他の相続財産(金銭等)も取得できる
  • 建物所有権と分離して遺産分割できる点が新しい

配偶者短期居住権(1037〜1041条)

配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合、遺産分割確定まで(最低6か月)無償で居住できる権利。登記不要・当然に発生する。

特別の寄与(1050条)2018年新設

「長男の嫁が義父の介護をしたが相続人ではない」という不公平を解消するため新設。相続人以外の親族が被相続人の療養看護等により財産の維持・増加に特別の貢献をした場合、相続人に対して金銭の支払を請求できる

寄与分(904条の2)との区別

寄与分(904条の2)は相続人が権利者で、遺産分割の中で調整される。特別の寄与(1050条)は相続人以外の親族が権利者で、相続人への金銭請求権。混同が頻出ミス。

六の22018年・2020年改正の実務的論点

遺産分割前の預貯金払戻制度・遺言書保管制度

遺産分割前の預貯金払戻制度(909条の2)2018年新設

改正前は、遺産分割が成立するまで預貯金は「遺産共有」状態にあり、相続人の1人が単独で払戻しを受けることはできなかった(最大決平28.12.19の判例変更)。2018年改正で当座の生活費・葬儀費等への対応を目的として新設。

  • 各相続人は遺産分割前でも単独で払戻しを受けられる
  • 払戻せる額:相続開始時の預貯金額 × 1/3 × 当該相続人の法定相続分(909条の2)
  • ただし1つの金融機関から払戻せる上限は150万円
  • 払戻した預貯金は遺産分割で考慮される(既に取得したものとして計算)

「遺産分割前は一切払戻し不可」という改正前の取扱いとの区別が出題される。上限額(150万円/金融機関)の数字も頻出。

自筆証書遺言書保管制度(遺言書保管法・2020年施行)

法務局(遺言書保管所)が自筆証書遺言の原本を保管する制度(令和2年7月10日施行)。安全な保管と検認手続の簡略化を目的とする。

法務局保管の場合

家庭裁判所での検認が不要。遺言者の死亡後、相続人等が「遺言書情報証明書」を取得できる。紛失・改ざんのリスクを防げる。

自宅保管の場合(従来通り)

相続開始後に家庭裁判所での検認が必要(1004条)。検認なしに開封すると過料(1005条)。

  • 利用できるのは自筆証書遺言のみ(公正証書遺言・秘密証書遺言は対象外)
  • 遺言者本人が法務局に出頭して申請(代理人不可)
  • 保管中は法務局が方式の確認を行うが、内容の有効性は審査しない

「法務局で保管→検認不要」の論理が頻出。公正証書遺言と混同させる引っ掛けに注意(公正証書は元々検認不要)。

触ってわかる ①

遺言方式 — どの方式か? 無効か? ジャッジ

事案を読み、自筆証書・公正証書・秘密証書・要件不備で無効のいずれかを判定する。

予想 → 答え合わせ

遺言方式 ジャッジトレーナー

事案を読み、該当する遺言方式(または要件不備)を選ぶ。

1 / 6
遺言書を封をせず(開封のまま)公証人に提出した。
この遺言はどの方式か(または無効か)?
触ってわかる ②

結論が反転する「分かれ目」を見る

寄与分 vs 特別の寄与、遺留分旧法 vs 現行法、相続放棄 vs 限定承認、代襲相続の範囲——似ているのに結論が違う4ペアで分かれ目を体得する。

スイッチで切り替え

混同ペア弁別スイッチ

相続人
寄与分(904条の2)
相続人自身が被相続人の財産維持・増加に特別の貢献をした場合。遺産分割手続内で処理
相続人以外
特別の寄与(1050条)
相続人以外の親族(例:長男の嫁)が療養看護等で貢献した場合。相続人への金銭請求権。2018年新設
分かれ目 寄与分は「相続人」、特別の寄与は「相続人以外の親族」が権利者。「寄与分は相続人以外も主張可」は誤り。
だから、こうなる

出題者の四つの手口

手口① 数字入れ替え — 遺留分の時効を「3年」とする

「遺留分侵害額請求権は、侵害を知った時から3年で時効消滅する」→ 誤り。1048条前段は知った時から1年、後段は相続開始から10年。「3年」「5年」を紛れ込ませる数字トラップ。

対策:遺留分は「1年/10年」。一般債権の消滅時効「5年/10年」とも混同しない。

手口② 類似制度混同 — 相続欠格に「請求+審判が必要」とする

「相続欠格が生じるには、被相続人の請求と家庭裁判所の審判が必要である」→ 誤り。それは廃除(892条・被相続人の意思+家裁の審判)の手続。欠格(891条)は欠格事由に該当した時点で当然に失権し、手続は不要。

対策:欠格=当然失権(手続不要)/廃除=被相続人の意思+家裁審判。どちらも欠格者・被廃除者の子は代襲相続できる(887条2項)。

手口③ 主体・要件すり替え(時点依存)— 嫡出否認を「父のみ」とする

「嫡出否認の訴えを提起できるのは父に限られる」→ 2024年4月1日施行の改正(令和4年法律第102号)により誤り。否認権者は父・母・子に拡大され(774条〜)、否認期間も原則3年に延長された。旧法(父のみ・1年)との時点依存の混同を突く。

対策:現行(2026-04-01基準)は父・子・母が否認可・原則3年。「父のみ・1年」は旧法。

手口④ 断定語+古い判例の据え置き — 非嫡出子の相続分を「1/2」とする

「非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1である」→ 誤り。最大決平25.9.4が旧900条4号ただし書を違憲と判断し、現行法では嫡出子・非嫡出子の相続分は同等。改正前の古い数字を据え置く手口。

対策:非嫡出子の相続分は現行「嫡出子と同等」。「2分の1」は平成25年改正前の旧法。

触ってわかる ③

本番の肢で、手口を見破る

演習 1 / 再婚禁止期間

現行民法(2026-04-01現在)において、再婚禁止期間に関する記述として正しいものはどれか。

  • 女性は離婚後100日間は再婚できない。
  • 女性は離婚後6か月間は再婚できない。
  • 現行法には再婚禁止期間の規定は存在しない。
  • 男女ともに離婚後180日間は再婚できない。
演習 2 / 遺留分の時効

遺留分侵害額請求権の消滅時効(1048条前段)として正しいものはどれか。

  • 遺留分権利者が遺留分の侵害を知った時から1年。
  • 遺留分権利者が遺留分の侵害を知った時から3年。
  • 遺留分権利者が遺留分の侵害を知った時から5年。
  • 遺留分権利者が遺留分の侵害を知った時から10年。
演習 3 / 相続放棄と登記

相続放棄の効力を第三者に対抗するために登記が必要か。

  • 登記が必要である。相続放棄も物権変動の一種だからである。
  • 登記なくして第三者に対抗できる(最判昭42.1.20)。
  • 放棄の意思表示を第三者に通知すれば、登記なく対抗できる。
  • 他の共同相続人全員の承諾があれば、登記なく対抗できる。
本試験形式 1

遺言の方式に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  • 1 自筆証書遺言は、証人2人以上の立会いがあれば、本文をワープロで作成することができる。
  • 2 公正証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所での検認が不要であるが、証人2人以上の立会いが必要である。
  • 3 自筆証書遺言に添付する財産目録は、2018年改正によりパソコンで作成できるようになったが、財産目録には日付の記載が必要である。
  • 4 秘密証書遺言は、遺言者が全文を自書しなければならない。
  • 5 自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に保管した場合、相続開始後に家庭裁判所の検認を受ける必要がある。
本試験形式 2

相続に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか(2026-04-01現在施行の法律による)。

  • 1 被相続人が「財産の全部を友人Dに遺贈する」と有効な遺言を残した場合、配偶者・子・直系尊属のいずれも遺留分を主張することはできない。
  • 2 遺留分侵害額請求権は形成権であり、行使することによって遺留分を侵害した財産の所有権が遺留分権利者に当然に移転する。
  • 3 遺留分侵害額請求権の消滅時効は、遺留分権利者が遺留分の侵害を知った時から1年である。
  • 4 兄弟姉妹は遺留分を有するため、遺言で排除するためには被相続人が家庭裁判所に廃除を請求しなければならない。
  • 5 限定承認は各相続人が単独で家庭裁判所に申述することができる。
親族法・相続法 — まとめ

再婚禁止期間は2024年廃止。相続欠格は自動失権(裁判不要)、廃除は被相続人の請求+家庭裁判所の審判。遺産分割前の預貯金払戻は法定相続分の1/3×預貯金額(上限150万円/金融機関)。自筆証書遺言を法務局に保管すると検認不要。遺留分侵害額請求は金銭債権(2018年改正・旧形成権)。配偶者居住権は2018年新設

自分の言葉で言うと?

再婚禁止期間は現行法では〔 ? 〕。遺留分侵害額請求権は〔 ? 〕的請求権(旧法は形成権)。相続放棄は〔 ? 〕単独で申述できる。限定承認は相続人〔 ? 〕が共同申述。

もう一歩:相続の選択と遺留分で確認

相続放棄は〔 ? 〕単独で家庭裁判所に申述。限定承認は〔 ? 〕が共同申述。遺留分権利者に〔 ? 〕は含まれない。遺留分侵害額請求権は〔 ? 〕であり、現物返還は〔 ? 〕(2018年改正)。

出典と基準日

  • 法令基準日:2026-04-01 現在施行の法令(令和8年度行政書士試験 想定)。
  • 根拠条文:民法725条〜1050条(e-Gov法令検索)・遺言書保管法(法務局における遺言書の保管等に関する法律)。主要条文:731条(婚姻適齢)・733条(再婚禁止期間・廃止)・774〜778条の3(嫡出否認)・779条〜789条(認知)・891条(相続欠格)・892〜895条(廃除)・909条の2(預貯金払戻)・968条(自筆証書遺言)・1004条(検認)・1028条〜(配偶者居住権)・1042条(遺留分)・1046条(侵害額請求)・1048条(遺留分の時効)・1050条(特別の寄与)。
  • 主要改正:2018年改正(配偶者居住権・遺留分金銭化・特別の寄与・預貯金払戻制度)、2019年改正(特別養子縁組年齢緩和)、2020年施行(遺言書保管制度)、2022年改正(成年・婚姻適齢統一)、2024年改正(再婚禁止廃止・嫡出否認拡大)。
  • 判例:最大判昭62.9.2(有責配偶者)、最大判平27.12.16・最大決令3.6.23(夫婦同氏)、最大決平25.9.4(非嫡出子相続差別違憲)、最判昭42.1.20(相続放棄と登記)(裁判所判例DB)。

文中の語に点線が引かれた箇所はタップで定義が開きます。気づきは画面右下の「メモ」から書き出せます(端末内に保存)。

独立ファクトチェック:✅ PASS(2026-06-29 opus検証 → ❌1件+⚠️2件修正適用済み: 改正年表記2022年改正・2024年施行、再婚禁止期間沿革、嫡出推定起算日修正)。✅ 2026-07-01 追加・修正分 PASS(2026-07-01 opus独立検証・修正なし: 認知節〈779・781・782・783条1項・784・785・787・789条〉をWikibooks条文で照合、手口①〜④〈1048条の1年/10年・891条欠格/892条廃除・774条〜=令和4年法律102号/2024-04-01・最大決平25.9.4違憲〉、施行日分離〈婚姻適齢=平成30年法律59号/2022-04-01、親子法制=令和4年法律102号/2024-04-01〉を正確と確認)。