この章は4つの論点ユニットに生まれ変わりました。短く区切って学べて、ドリル・索引とつながっています。 新しい「国家賠償法・損失補償」をはじめる →
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行政が違法に損害を与えたら、誰が賠償するのか。国家賠償法はたった6条の法律だが、1条(人のミス)と2条(モノの欠陥)の使い分けが試験の生命線。過失責任と無過失責任の分岐を、判例で追う章。
市道の路面に穴が開いていて、あなたが転倒して骨折した。この場合の賠償責任は1条か2条か? 公務員に「過失」がなくても賠償されるのか? そして、公務員個人に直接請求できるのか?
行政書士は依頼者が行政から損害を受けた場合に、その救済手段を案内する場面がある。国家賠償法は民法の不法行為とは異なり、公権力の行使や公の営造物という行政固有の概念を軸にした特別法だ。「1条か2条か」の判断、公務員個人への請求の可否、求償権の条件——これらは依頼者に正確な説明ができるかを問う実務直結の知識。判例が頻出するのも、条文がわずか6条と少なく、実際の法解釈は判例が積み上げてきた背景がある。
国家賠償法は、自前の論点マップ(gyousei-anki-map)で★★★=最優先の論点が並ぶ得点源——公務員個人の免責・求償の故意重過失要件(5-A-3・5-A-4)、2条の無過失責任〔1条との違い〕(5-B-1)はいずれも「毎年出題・混同しやすい高頻度論点」と位置づけられる。国賠は毎年2問前後の「取りに行く」ゾーン。1条/2条の区別・公務員個人の免責・求償の故意重過失を落とさないことが鍵。
国家賠償法は1947年制定、わずか6条の短い法律。中核は1条と2条の2本柱。残りは補則的規定。
公務員が違法に損害を与えた場合の賠償責任。故意・過失が要件(過失責任)。
公の営造物(道路・河川等)の設置管理の瑕疵による損害賠償。過失は不要(無過失責任)。
3条=費用負担者も賠償責任を負う。4条=国賠法に規定がなければ民法が適用される。5条=他の法律に特則があればそれが優先。6条=外国人への適用は相互保証主義。
公務員が違法な処分をした、警察官が暴行した——これは人の行為が原因。1条が適用され、故意・過失が要件になる。
道路に穴が開いていた、崖から落石があった——これはモノ(営造物)の欠陥が原因。2条が適用され、管理者の過失は問われない。
できない。国賠法が適用される場合、公務員個人は被害者に対して民法709条の責任を負わない(最判昭30.4.19)。賠償義務者は国または公共団体のみ。ただし、国・公共団体は公務員に故意・重過失があれば求償できる(1条2項)。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①公権力の行使 | 行政処分に限らず、権力的事実行為・立法行為・司法行為も含む広い概念 |
| ②公務員 | 国家公務員・地方公務員を問わない |
| ③職務を行うについて | 外形標準説:客観的に職務行為と見られれば足りる |
| ④故意または過失 | 主観的要件。2条と異なり過失が必要 |
| ⑤違法 | 職務行為基準説:法令に違反しているか |
| ⑥損害の発生 | 他人に損害を加えたこと |
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①公の営造物 | 道路・河川・公園・学校等。管理権があれば所有権の帰属は問わない |
| ②設置・管理の瑕疵 | 「通常有すべき安全性」を欠くこと。管理者の過失は不要 |
| ③損害の発生 | 他人に損害を生じたこと |
| 1条の求償(1条2項) | 2条の求償(2条2項) | |
|---|---|---|
| 求償先 | 当該公務員 | 損害原因に責任ある者(例:工事施工者) |
| 条件 | 故意または重過失のある場合のみ | 責任を有する場合 |
公務員個人をめぐるお金の流れは3本ある。方向と要件を混同させるのが定番。
判例の事案を読み、国賠責任が認められたか否かを判定する。1条と2条のどちらが問題になっているかにも注目。
判例の事案を読み、結論を予想する。判決と理由がその場で出ます。
1条と2条、求償権の条件、立法不作為の肯定と否定——似ているのに結論が違う4つのペアで分かれ目を体得する。
「国家賠償法1条の責任は無過失責任であり、公務員の故意・過失を問わない」→ 誤り。1条は過失責任。無過失責任は2条。
「公務員に故意・過失があれば、公務員個人に対しても民法709条で直接請求できる」→ 誤り。最判昭30.4.19により、公務員個人は被害者に対し賠償責任を負わない。
「公務員に過失があれば求償権を行使できる」→ 誤り。1条2項の求償権は故意または重過失のある場合のみ。軽過失では求償不可。
「立法の不作為はいかなる場合も国賠法上違法にならない」→ 誤り。在外邦人選挙権事件(最大判平17.9.14)で立法不作為の国賠責任を肯定した先例がある。
「未改修河川の洪水被害は常に管理の瑕疵が認められる」→ 誤り。大東水害訴訟(最判昭59.1.26)により、未改修河川は財政的制約等を考慮した特別基準が適用される。
国家賠償法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
国家賠償法の求償権に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
国家賠償法に関する判例の趣旨として、妥当でないものはどれか。
国家賠償法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。(法令基準日:2026-04-01)
国家賠償法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。(法令基準日:2026-04-01)
国賠法1条の「費用負担者責任」(3条)とは〔 ? 〕。立法不作為が国賠法上の違法となるのは〔 ? 〕の場合。未改修河川の管理瑕疵の判断基準が道路と異なる理由は〔 ? 〕。
1条は人のミス(過失責任)、2条はモノの欠陥(無過失責任)。公務員個人への直接請求は不可。求償権は故意+重過失のみ。立法不作為は原則否定だが在外邦人選挙権事件で肯定の先例あり。未改修河川は特別基準で判断。
国賠法1条は〔 ? 〕責任(過失が要る)、2条は〔 ? 〕責任(過失は要らない)。1条の求償権は〔 ? 〕のある場合のみ。公務員個人に直接請求は〔 ? 〕。