この章は4つの論点ユニットに生まれ変わりました。短く区切って学べて、ドリル・索引とつながっています。 新しい「行政不服審査法」をはじめる →
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取消訴訟は裁判所での争い。行政不服審査法は行政機関内部でのやり直し——審査請求から裁決までの手続を、「誰が何をするか」で覚える章。審理員・行政不服審査会・審査庁の三者の役割分担が鍵。
あなたの申請が拒否された。裁判所に訴えるのは大変だし費用もかかる。もっと簡便に争う方法はないのか? 審査請求の期間は何か月で、「審理員」「行政不服審査会」「審査庁」は誰が何をするのか?
行政書士(特定行政書士)は「不服申立ての手続きの代理」を業務のひとつとして担う(行政書士法1条の4第1項2号・同2項)。許認可申請が拒否された依頼者から「審査請求をしたい」と相談を受けたとき、期間・審査庁・審理員・行政不服審査会の役割分担を正確に理解していなければ適切な手続き代理ができない。行政不服審査法は毎年2〜3問出題される最重要科目であり、三者の役割と数値(3か月・6か月・1年)を完全に習得することが合格の必須条件だ。
行政不服審査法は、自前の論点マップ(gyousei-anki-map)で★★★=最優先の論点を抱える頻出ゾーン——執行停止の要件と不停止原則(3-7)、期間の横断比較〔3か月/1か月/6か月×起算点〕(3-2・3-3)はいずれも「多くの受験生が失点する高頻度×高難度」、教示制度(3-6)も★★の準優先とされる。ここを取りこぼすと合格が遠のく大ヤマだ。期間・三者の役割・執行停止・教示を確実に固めよう。
行政不服審査法(2014年全部改正)は、行政処分に不服がある者が行政機関に対してやり直しを求める手続を定めている。裁判(行政事件訴訟法)に比べ、簡易・迅速・費用不要なのが特徴。
処分庁の上級行政庁に申し立てる。不服申立ての中心制度。審理員が審理し、審査庁が裁決する。
処分庁自身に再調査を求める。個別法に根拠がある場合のみ。審査請求との選択関係(5条1項)。
審査請求の裁決に不服がある場合の二段階目。個別法の根拠が必要(6条)。
旧法にあった「異議申立て」は廃止。代わりに「再調査の請求」に一本化された。また、公正性を担保するため審理員制度と行政不服審査会が新設された。試験では旧法との対比が問われる。
審査請求の手続は「三者」——審理員・行政不服審査会・審査庁——による三段構えで進む。
処分に不服がある者が、処分庁の上級行政庁(審査庁)に審査請求する(2条・4条)。
審査庁が、処分に関与していない職員から審理員を指名する(9条)。
審理員が審理手続を主宰。書面審理が原則だが、口頭意見陳述の機会も保障される。
審理員が審理員意見書を作成し、審査庁に提出する(42条)。
審査庁が行政不服審査会に諮問する(43条1項)。原則義務。
審査会が法的妥当性をチェックし答申する。ただし答申は審査庁を法的に拘束しない。
審査庁が裁決する(45条〜47条)。却下・棄却・認容(取消し・変更)の3類型。
期間の数値は4つの手続を互いに混同させるトラップが最頻出。審査請求3か月・再調査3か月・再審査1か月・取消訴訟6か月を、起算点ごと横断で押さえる。ここは受験生最大の失点源。
| 手続 | 主観的期間 | 起算点(主観) | 客観的期間 |
|---|---|---|---|
| 審査請求 18条 | 3か月 | 処分を知った日の翌日 | 1年(処分の日の翌日) |
| 再調査の請求 54条 | 3か月 | 処分を知った日の翌日 | 1年(処分の日の翌日) |
| 再審査請求 62条 | 1か月 | 原裁決を知った日の翌日 | 1年(原裁決の日の翌日) |
| 取消訴訟 行訴法14条 | 6か月 | 処分を知った日(翌日でない) | 1年(処分の日) |
① 再審査請求だけ1か月、しかも起算点は「処分」でなく原裁決を知った日の翌日。② 取消訴訟だけ「翌日」でなく「知った日」から(行訴法14条1項)。不服申立て3法は「翌日から」で揃うが、取消訴訟は当日起算。この2点が数字入れ替え・起算点すり替えの定番。
次に、裁決の種類。「却下」と「棄却」の違いは試験で直接問われる。
| 種類 | 場面 |
|---|---|
| 却下 | 不適法(期間徒過・対象外など形式要件を欠く) |
| 棄却 | 審査請求に理由がない(形式は適法だが内容が認められない) |
| 認容 | 処分の取消し・変更、事実行為の撤廃、不作為の違法確認 |
最後に、三者の役割分担。「誰が何をするか」を混同させるのが出題者の常套手段。
| 審理員 | 行政不服審査会 | 審査庁 | |
|---|---|---|---|
| 正体 | 審査庁の職員 | 第三者機関(総務省所管) | 処分庁の上級行政庁 |
| 役割 | 審理手続を主宰 → 意見書を作成 | 法的妥当性をチェック → 答申 | 最終判断=裁決 |
| 拘束力 | なし | なし | 裁決権者 |
審査庁は、裁決で審査請求人の不利益に処分を変更することができない(48条)。この規定に例外はない。なお、行政事件訴訟法には不利益変更禁止の規定は存在しない。
「審査請求をすれば処分の効力は当然に止まる(自動停止)」という思い込みが根強いが、これは誤り。行審法は執行不停止の原則を採る(25条1項)。処分の効力・執行・手続の続行を止めるには、原則として執行停止の措置が別に必要だ。
| 場面 | できること |
|---|---|
| 原則 | 不停止。審査請求をしても処分の効力・執行・手続の続行は止まらない(25条1項) |
| 上級行政庁 or 処分庁が審査庁 | 職権でも執行停止できる(申立て又は職権・裁量的/25条2項) |
| それ以外の審査庁 | 申立てによってのみ執行停止できる(職権不可/25条3項) |
| 義務的執行停止 | 審査請求人の申立てがあり「重大な損害を避けるため緊急の必要」があると認めるとき→執行停止をしなければならない。ただし公共の福祉に重大な影響/本案に理由がないとみえるときは不要(消極要件・25条4項) |
行審法は審査庁が職権でも執行停止できる場合があり(25条2項)、さらに義務的執行停止(25条4項「しなければならない」)の規定を持つ。これに対し行訴法(取消訴訟)の執行停止は、裁判所が申立てにより行うもので職権はなく、義務的執行停止の規定もない(行訴法25条)。「審査請求=自動停止」「裁判所が職権で執行停止」はいずれも誤り。
審査請求の手続で行われる行為について、「それは審理員か、行政不服審査会か、審査庁か」を即答する。
行為を読み、主体を4択から選ぶ。条文番号と理由がその場で出ます。
審査請求と取消訴訟、審理員と審査会——似ているのに結論が違う4つのペアで分かれ目を体得する。
タブで4つのペアを切り替え。左と右の「分かれ目」に注目。
「処分を知った日の翌日から起算して6か月以内」→ 誤り。審査請求は3か月(18条1項)。6か月は取消訴訟の出訴期間。
「審理員が行政不服審査会に諮問する」→ 誤り。諮問するのは審査庁(43条1項)。審理員は意見書を出すだけ。
「行政不服審査会の答申は審査庁の裁決を拘束する」→ 誤り。審理員意見書も答申も、審査庁を法的に拘束しない。
「審理員は審査庁の職員であれば誰でもなれる」→ 誤り。処分に関与した者は審理員になれない(9条2項)。
「原則として不利益変更は禁止されるが、公益上の理由がある場合はこの限りでない」→ 誤り。48条に例外はない。
「審査請求先のみを教示すればよい」→ 誤り。①不服申立てができる旨、②審査請求先、③審査請求期間の3点を書面で教示する義務がある(82条1項)。
「審査請求をすれば、処分の効力・執行は当然に停止する」→ 誤り。行審法は執行不停止の原則(25条1項)。止めるには執行停止の措置が別に必要。
「再審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内」→ 誤り。再審査請求は1か月、起算点は原裁決を知った日の翌日(62条)。
行政不服審査法の審査請求に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
行政不服審査法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
行政不服審査法に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
行政不服審査法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
行政不服審査法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
審査請求の主観的期間は〔 ? 〕か月、客観的期間は〔 ? 〕年。審理員は〔 ? 〕を作成し、行政不服審査会は〔 ? 〕する。最終的な裁決は〔 ? 〕が行う。
審査請求は3か月(取消訴訟は6か月)。手続の三者は——審理員が調べ(意見書)、審査会がチェック(答申)、審査庁が決める(裁決)。意見書も答申も拘束力なし。不利益変更禁止に例外なし。行訴法にはこの規定自体がない。
審査請求期間は〔 ? 〕か月。審理員意見書を審査庁に提出した後、審査庁は〔 ? 〕に諮問する。答申は審査庁を〔 ? 〕。不利益変更禁止に例外は〔 ? 〕。